【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26,119.61  ▼170.37 (6/17)
NASDAQ: 9,910.53  △14.67 (6/17)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。新型コロナウイルスの感染が米国の一部地域で拡大していることを懸念した売りでダウ平均とS&P500株価指数は4日ぶりに反落となりましたが、ナスダック総合株価指数は大型ハイテク株の一角が買われたことで4日続伸となりました。ダウ平均は40ドル高でスタートすると前日終値を挟んで揉み合う展開が続きましたが、取引終盤に売りが優勢になり下げ幅を広げると引け間際に221ドル安まで下落する場面もありました。結局ダウ平均は170ドル安の26,119ドルで取引を終えています。

また、S&P500株価指数も11ポイント安の3,113ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は14ポイント高の9,910ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米住宅着工件数は年率換算で前月比4.3%増の97万4000戸と増加に転じましたが市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーが3%を超える下落となったほか、金融と不動産も1%を上回る下げとなりました。一方でコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、情報技術の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では原油価格の下落を受けてエクソンモービル(XOM)が3%を超える下げとなり下落率トップとなったほか、シェブロン(CVX)も2%を上回る下落となりました。また、ボーイング(BA)とJPモルガン・チェース(JPM)も2%以上の下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、クルーズ船大手のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が7月末までとしていたクルーズ船の運航停止期間を延長すると発表したことで8%を超える下落となっています。USスチール(X)も4-6月期の1株当たり損益が赤字になるとの見通しを発表したことで急落し10%安となっています。ソフトウエアのオラクル(ORCL)も決算で売上高が市場予想を上回る減収となったことで5%を超える下落となりました。一方で代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が目標株価の引き上げを受けて3%近く上げています。ホームセンターのロウズ(LOW)は米住宅着工件数が増加に転じたことで3%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い0.74%となりました。ドル円は107円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことで新たな材料に乏しいことから様子見でのスタートが予想されます。こうしたなか買いが優勢となり日経平均が節目の22,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)