【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26,289.98 △526.82 (6/16)
NASDAQ: 9,895.87 △169.84 (6/16)
1.概況
米国市場は米小売売上高が過去最大の伸びとなったことや、米政権が新たに1兆ドル規模のインフラ計画を検討していると伝わったことで3日続伸となりました。563ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後に847ドル高まで上昇した後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米上院での議会証言で米経済に関して慎重な見方を示したこともあって48ドル高まで急速に上げ幅を縮めましたが、持ち直し再び上げ幅を広げると結局526ドル高の26,289ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も169ポイント高の9,895ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月の米小売売上高は前月比17.7%増と過去最高の伸びとなり市場予想も大きく上回りました。6月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も58となり市場予想を上回りました。一方で5月の米鉱工業生産指数は前月比1.4%上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率も前月から0.8ポイント上昇の64.8%に止まり市場予想を下回りました。4月の米企業在庫も前月比1.3%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが3%近く上昇したほか、ヘルスケアと情報技術、素材、一般消費財・サービスも2%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでも米政権が新たに1兆ドル規模のインフラ計画を検討していると伝わったことでキャタピラー(CAT)が5%を超える上昇となったほか、メルク(MRK)も4%近く上げています。ボーイング(BA)とホーム・デポ(HD)、シェブロン(CVX)も3%以上上昇しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、米小売売上高が過去最大の伸びとなったことで百貨店株が買われメーシーズ(M)が6%以上上昇し、ノードストローム(JWN)も13%近く上げました。コールズ(KSS)も9%近く上げています。また、製薬大手のイーライリリー(LLY)が乳がん治療薬の臨床試験で良好な効果が確認されたと発表したことで15%以上上げています。一方でソフトバンクグループ(9984)が保有株式の売却を検討していると発表したことなどでTモバイルUS(TMUS)が2%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い0.75%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は昨日に急伸した反動で下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)