今週の日本株相場は、普通に考えれば上昇も一服し高値圏でのもみ合いとなろう。日経平均は過去2週間で1,840円も上げた。25日移動平均からの乖離率は7.9%に達し、RSI、ボリンジャーバンド、騰落レシオなど各種テクニカル指標は過熱を示すゾーンに達している。ここからの上値追いには少し日柄を要するだろう。一方、下値も堅い。押したところではすかさず買いが入る。想定外に強い相場で売り方が担がれており、損失覚悟の買い戻しが入りやすい地合いだ。よって、「普通に考えれば」上にも下にも行きにくい展開となろう。

では、「普通の」考えを覆す材料は何か。ひとつは米国の経済指標だ。今週は月初に当たり、ISM製造業景況指数、ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、雇用統計など重要な指標発表が目白押し。

それぞれの予想は以下の通り(括弧内は前回)。ISM製造業景況指数43.7(41.5)、ADP雇用統計950万人減(2023.6万人減)、ISM非製造業景況指数 44.5 (41.8)、NFP 800万人減 (2053.7万人減) 。

このように依然として悪い数字が並んでいるが、前回よりは改善する予想になっている。実際に発表された数字が予想を上回るなどすれば、最悪期は過ぎたとの認識が市場に広がりやすいだろう。

もうひとつの材料は米国株の動向だ。ナスダック100はほぼ史上最高値圏に戻している。あと1.7%で高値更新となる。1.7%というのは日経平均に直せば370円ほどである。完全に射程圏内である。ただ、ナスダック100はポピュラーではないので仮に最高値を更新しても市場全体への影響は限られるかもしれない。では、ナスダック総合ならどうか。ナスダック総合はあと3.5%で最高値更新だ。コロナショックの急落からわずか2カ月あまりで再び史上最高値を獲りにいくとすれば、その力強い株式相場の勢いは投資家のセンチメントをさらに勇気づけるだろう。

日経平均も2万2000円の大台回復が手に届くところにある。普通に考えれば上値は追えないところを、想定外にあっさりと2万2000円の大台回復となれば売り方の焦燥感は強くなるだろう。踏み上げ相場となってさらに上伸する目も、少なからずあると思う。

今週の予想レンジは2万1500~2万2300円とする。