【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24,465.16  ▼8.96 (5/22)
NASDAQ: 9,324.59  △39.71 (5/22)

1.概況

先週末の米国市場は強弱材料が入り混じる格好となるなか高安まちまちとなりました。中国が香港の統制強化に動いていることで米中対立の悪化懸念が相場の重石となる一方で、米国立アレルギー感染症研究所の所長が12月か来年1月にかけて新型コロナウイルスのワクチン接種を始められるかもしれないとの見通しを示したことが相場を支えました。ダウ平均は12ドル安でスタートすると朝方に180ドル安まで売られる場面もありましたが、取引終盤に持ち直すと結局8ドル安の24,465ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数が6ポイント高の2,955ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント高の9,324ポイントとなりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、不動産が2%を超える上昇となったほか、公益事業も1%以上上げました。一方でエネルギーや金融などの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が2%近く下げ下落率トップとなったほか、米中対立の悪化懸念からキャタピラー(CAT)とボーイング(BA)も1%以上下げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、IT大手のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が決算で最終損益が赤字となったことで急落し11%以上下げています。アリババ集団(BABA)も今期の売上高の見通しが市場予想を下回ったことで6%近く下落しました。一方で画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が目標株価の引き上げが相次いだことで3%近く上げ上場来高値を更新しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い0.66%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の日本市場がダウ平均の大幅安を見越して下げ幅を広げる展開となったにも関わらず、先週末のダウ平均が下げ渋る結果となったことから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の20,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)