【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 23,625.34 △377.37 (5/14)
NASDAQ: 8,943.72 △80.55 (5/14)
1.概況
米国市場は大幅反発となりました。ダウ平均は米景気の先行き不透明感や米中関係悪化への懸念などから198ドル安でスタートするとまもなくして458ドル安まで下げ幅を広げましたが、前日までの3日間で1,000ドル以上も下げていたこともあって押し目買いが入ると持ち直し午後に入って買いが優勢になると上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は377ドル高の23,625ドルと4日ぶりに反発しほぼ高値引けとなっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も80ポイント高の8,943ポイントと3日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は298万1000件と前週の317万6000件から改善しましたが市場予想ほど減少しませんでした。なお、申請件数は8週間で3600万件を上回っています。また、4月の米輸入物価指数は前月比2.6%低下し下落率は5年3カ月ぶりの大きさとなりましたが、市場予想は上回っています。米輸出物価指数は3.3%低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が上げました。そのなかでも金融が2%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスと情報技術、素材、ヘルスケア、コミュニケーション・サービスも1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
マスターカード(MA)が5月に入り利用状況が改善していると発表したことで3%高となりました。同業のアメリカン・エキスプレス(AXP)やビザ(V)にも買いが波及し、アメリカン・エキスプレスが7%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ビザも2%を上回る上昇となっています。また、5月に入り下げが目立っていた銀行株が買われウェルズ・ファーゴ(WFC)が7%近く上げ、JPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)も4%以上上昇しています。
さらに減収減益ながら市場予想を上回る決算を発表したネットワーク機器大手のシスコシステムズ(CSCO)が目標株価の引き上げが相次いだこともあって4%を超える上昇となりました。ネットフリックス(NFLX)は買いの投資判断を好感して1%近く上げ上場来高値を更新しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い0.62%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が20,000円の節目を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、11時には中国で工業生産高や小売売上高などの経済指標が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)