【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 23,247.97  ▼516.81 (5/13)
NASDAQ: 8,863.17  ▼139.38 (5/13)

1.概況

米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で新型コロナウイルスによる米景気の下振れリスクを強調したことで景気後退への警戒感が高まり大幅続落となりました。62ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げると昼過ぎに600ドル安程度まで下落しました。その後一旦下げ渋ったものの取引終盤に一段安になると一時は700ドル安近くまで売られる場面もありました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局516ドル安の23,247ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も139ポイント安の8,863ポイントと続落となりました。

2.経済指標等

4月の米卸売物価指数(PPI)は前月比1.3%低下し市場予想を下回りました。2009年12月以降で最大の落ち込みとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが4%を超える下落となったほか、金融も3%安となりました。また、資本財・サービスと素材も2%を上回る下げとなっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はメルク(MRK)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)が6%以上下落したほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も5%を上回る下げとなりました。さらにエクソンモービル(XOM)も5%近く下げ、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)とトラベラーズ(TRV)、ダウ(DOW)も4%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力の航空機事業が低迷するとの懸念からゼネラル・エレクトリック(GE)が3%以上下げています。代替肉のビヨンド・ミート(BYND)も投資判断の引き下げを受けて2%近く下落しました。一方で2-4月期の売上高が12%増になりそうだと発表した食品のユナイテッド・ナチュラル・フーズ(UNFI)が急伸し45%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い0.65%となりました。ドル円は107円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日のように朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)