【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24,221.99 ▼109.33 (5/11)
NASDAQ: 9,192.34 △71.02 (5/11)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。中国や韓国で新たな集団感染が起きたことで米国での感染の第2波の可能性が意識されたことが相場の重石となるなかダウ平均は反落となりましたが、ハイテク株やヘルスケア株への買いを支えにS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続伸となりました。
74ドル安でスタートしたダウ平均は261ドル安まで下落したあとニューヨーク州の知事が行動制限を15日から一部解除する方針を示したことで持ち直すと昼過ぎにプラスに転じましたが、34ドル高で上値が押さえられると再び下落に転じました。結局ダウ平均は109ドル安の24,221ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。
一方でS&P500株価指数が0.5ポイント高の2,930ポイントと3日続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も71ポイント高の9,192ポイントと6日続伸となっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、金融が2%近く下落したほか、エネルギーと素材、資本財・サービス、不動産も1%以上下げました。一方でヘルスケアや情報技術などの4業種が上げ、ヘルスケアは1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではアメリカン・エキスプレス(AXP)が4%以上下げたほか、ボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)も3%を超える下落となりました。一方でファイザー(PFE)が2%を上回る上昇となり、メルク(MRK)も2%近く上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)が目標株価の引き上げを受けて3%以上上昇し上場来高値を更新しました。ホテルチェーン大手のマリオット・インターナショナル(MAR)は決算で1株利益が市場予想を大きく下回ったことで5%を超える下落となり、スポーツ用品大手のアンダーアーマー(UAA)も決算が最終赤字となったことで10%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い0.71%となりました。ドル円は円安に振れ107円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場はドル円が円安となっていることもあって昨日までの堅調な地合いを引き継ぎ上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の20,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。また、本日は取引時間中の13時10分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)