【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 23,875.89 △211.25 (5/7)
NASDAQ: 8,979.66 △125.27 (5/7)
1.概況
米国市場は経済活動の再開が多くの州に広がるなか米経済が回復に向かうとの期待が高まり上昇しました。172ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに429ドル高まで上昇したあと上げ幅を大きく縮めましたが結局211ドル高の23,875ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も125ポイント高の8,979ポイントとなり4日続伸となりました。一時9,000ポイントを回復する場面もありました。
2.経済指標等
先週一週間の新規失業保険申請件数は316万9000件となり前週の384万6000件から改善したものの依然として高水準となっています。申請件数は7週間で3300万件を超えています。また、1-3月期の米労働生産性指数速報値は年率で前期比2.5%低下したものの市場予想ほど低下しませんでした。さらに3月の米消費者信用残高は121億ドル減と増加を見込んでいた市場予想を下回り8年7か月ぶりのマイナスとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、エネルギーと金融、素材が2%を超える上昇となりました。一方で生活必需品とヘルスケアの2業種が下げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)が5%以上上げたほか、ウォルト・ディズニー(DIS)も4%を超える上昇となりました。アメリカン・エキスプレス(AXP)とゴールドマン・サックス(GS)も3%を上回る上昇となっています。一方でファイザー(PFE)が3%余り下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、配車サービスのリフト(LYFT)が決算で売上高が市場予想を上回ったことで急伸し21%を超える上昇となりました。また、決済サービス大手のスクエア(SQ)も目標株価の引き上げが相次いだことで9%を超える上昇となっています。決済サービス大手のペイパル・ホールディングス(PYPL)は決算が市場予想を下回ったものの4月に入って業績が改善していることが明らかとなったことで14%高となり上場来高値を更新しています。携帯大手のTモバイルUS(TMUS)は契約者数が市場予想以上に増え決算が増収増益となったことから10%高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%低い0.64%となりました。ドル円は106円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が5日移動平均線(昨日時点で19,808円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)