東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は連日での原油価格の急落を嫌気しての米国株安を受けて3日続落となりました。日経平均は171円安の19,109円で寄り付くと節目の19,000円を割り込み取引開始から30分弱で422円安の18,858円まで下落しました。朝方の売りが一巡し下げ幅を縮めた日経平均は19,000円台を回復すると前場を230円安の19,050円で終えました。214円安の19,066円でスタートした後場は152円安の19,128円まで持ち直す場面もありましたが、寄り付き後直後に付けた前場の高値(19,134円)を前に上値が伸び悩むと19,000円を再び割り込み13時40分前には334円安の18,945円まで下落しました。その後19,000円を回復した日経平均は引けにかけてさらに下げ幅を縮めると結局142円安の19,137円と本日の高値で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って続落となっています。

2.個別銘柄等

半導体製造装置銘柄が明暗を分ける格好となりました。昨日の米国市場でアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディア(NVDA)、マイクロン・テクノロジー(MU)といった半導体株が大きく売られたことから東京エレクトロン(8035)は1.5%安となりましたが、アドバンテスト(6857)は同業で計測機器大手の米テラダイン(TER)の決算が市場予想を上回ったことから3.6%高となり堅調でした。また、半導体関連では半導体パッケージを手掛ける新光電気工業(6967)が急伸し10.9%高となりました。2020年3月期の営業利益の見通しを12億円から32億円に上方修正したことが好感され買いを集めました。

一方で原油価格の急落が続いていることで石油元売りが売られました。昨日の引け後に2020年3月期の営業損益を1650億円の黒字から50億円の赤字に下方修正した出光興産(5019)が5.3%安となったほか、JXTGホールディングス(5020)が1.8%安、コスモエネルギーホールディングス(5021)が4.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

先週末には20,000円の大台回復も視野に入ってきた日経平均ですが、今週に入って下落が続いたことで一転して本日は節目の19,000円を試す展開となり、19,000円を挟んで上下140円程度で揉み合う展開となりました。新型コロナウイルスの感染拡大に原油価格の急落も加わったことでまだまだ不安定な相場が続きそうですが、こうしたなかで下げが続けば日経平均は引き続き19,000円や25日移動平均線(18,751円)を維持できるかが試されそうで、反対に切り返す場面では20日に押し返される格好となった一目均衡表の雲の下限を超えられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)