【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24,242.49 △704.81 (4/17)
NASDAQ: 8,650.14 △117.78 (4/17)
1.概況
先週末の米国市場はトランプ米大統領が新型コロナウイルスの感染者数が少ない地域から段階的に経済活動の再開を認める方針を示したことや、バイオ製薬大手の新型コロナウイルスに対する臨床試験で良好な結果が得られたと伝わったことから大幅続伸となりました。279ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後に610ドル高余りまで上昇したあと景気先行指数が過去最大の落ち込みとなったこともあって昼前に290ドル高程度まで上げ幅を縮めました。しかし、取引終盤に再び上げ幅を広げると引け間際には726ドル高まで買われました。結局ダウ平均は704ドル高の24,242ドルで取引を終えています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も117ポイント高の8,650ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の米景気先行指数は前月比6.7%低下し低下幅が過去最大となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが10%余り上昇したほか、金融も5%以上上げました。資本財・サービスと素材も4%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)が新型コロナウイルスの影響で3月から休止していた商業機の生産を段階的に再開すると発表したことで15%近く上げたほか、エクソンモービル(XOM)も10%余り上げました。また、JPモルガン・チェース(JPM)とシェブロン(CVX)も9%近く上げたうえ、アメリカン・エキスプレス(AXP)も7%以上上昇しました。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%以上下げ、投資判断の引き下げを受けてアップル(AAPL)も1%を超える下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ製薬大手のギリアド・サイエンシズ(GILD)が10%近く上げました。新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬の臨床試験で感染した患者が急速に回復していると伝わったことが好感されました。手術ロボットのインテュイティブサージカル(ISRG)も決算が市場予想を上回る増収増益となったことで3%余り上昇しています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%高い0.64%となりました。ドル円は107円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末に大幅高となった反動で下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)