【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 23,719.37  △285.80 (4/9)
NASDAQ: 8,153.58  △62.67 (4/9)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が企業向けの新たな資金供給策を発表したことを好感して続伸となりました。257ドル高でスタートしたダウ平均は560ドル高余りまで買われた後一旦上値が伸び悩み240ドル高余りまで弱含む場面もありましたが、午後に入って持ち直すと一時は575ドル高まで買われました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局285ドル高の23,719ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も62ポイント高の8,153ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比26万1000件減の660万6000件となり2週連続で600万件を上回り市場予想ほど改善しませんでした。4月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も71.0と前月の89.1から大きく低下し市場予想も下回りました。2月の米卸売在庫も前月比0.7%減となり市場予想を下回っています。米卸売売上高は前月比0.8%減となりました。3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%低下したものの市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、金融と不動産が5%を超える上昇となったほか、公益事業と素材も4%以上上げています。一方でエネルギーが1%余り下げています。 

4.個別銘柄動向

FRBが企業向けを含む総額2兆3000億ドル規模の緊急資金供給策を発表したことで金融株が買われました。JPモルガン・チェース(JPM)が9%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も4%以上上げています。シティーグループ(C)も7%以上、ウェルズ・ファーゴ(WFC)も9%以上上昇しました。また、ウォルト・ディズニー(DIS)が動画配信サービスの世界の有料視聴者数が5000万人を超えたと発表したことで3%を超える上昇となっています。

一方でインテル(INTC)が年後半に発売が予想されていた新型半導体の販売が来年にずれ込むとの観測が浮上し3%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。コストコ・ホールディングス(COST)も3月の全世界の既存店売上高が期待ほど伸びなかったことで2%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利はパウエルFRB議長がゼロ金利政策を含む金融緩和の長期化を示唆したことで0.05%低い0.72%となりました。ドル円は108円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の19,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)