5日移動平均線を割り込んだものの直ぐに回復

日経平均株価の上下の値動きは相変わらず続いており、高いボラティリティ(変動率)も継続中と考える必要がありそうです。前回指摘したことを確認しながら、これまでの動きについて解説したいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

前回は、「5日移動平均線上を回復して維持できるかが注目ポイントになりそうです。
仮に5日移動平均線上を回復して維持するようですと、下向きの25日移動平均線を突破したり、突破して維持したりすることが期待されます」としました。

実際には、前回から今回の5営業日のあいだに5日移動平均線を下回ったあと反発に転じ、このコラムを書いている7日には、ついに5日移動平均線に加え、25日移動平均線も上回って終える結果となりました。

さらに、この1週間の上下動の激しいなか、3月24日と25日にあけた窓と3月12日と13日にあけた窓を埋めました。それと同時に、3月31日と4月1日のあいだにあけた窓も埋めており、前述のように上下の値動きの大きさが分かる結果となっています。

25日移動平均線上を維持できるかに注目

そうしたなか今後についてですが、一旦上回った25日移動平均線上を維持できるかが注目ポイントになりそうです。仮に25日移動平均線上を維持するようですと、わずかに上向きに変化した5日移動平均線が上昇を続け、下向きの25日移動平均線を上回ることが考えられます。そのほか、25日移動平均線も上向きに変化することが視野に入ってくるのではないかと思われます。

そうなりますと、昨年8月の安値水準に接近したり、2万円台を回復したりすることも考えられるのではないかと思われます。

一方で、上値の抵抗となる2万円台の水準を終値で上回って維持できなければ、3月6日と9日のあいだにあけた窓を埋めることができないため、上昇も限定的になることになります。

上下どちらの窓を埋めに動くのかを売買判断に

また、25日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、5日移動平均線も終値で割り込んで下向きに変化したりするようですと、3月23日と24日のあいだにあけた窓を埋めることも考えられます。そのため買いポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に注意が必要になるのではないでしょうか。

いずれにしても、4月8日現在の終値水準を中心にして、上下に窓が残っています。そのため、移動平均線と株価の位置関係を確認しながら株価のトレンドを探り、どちらの窓を埋めに動くのかを予測し、売買判断に役立てるようにしたいところです。