3月は上向きの5日移動平均線を下回って終える

今週も窓についての解説を前回指摘したことを振り返りつつ、チャートを見ながら解説したいと思います。

前回は、「いよいよ反発に動き出したとみられる日経平均株価ですが、反発が続くかどうかのカギを握っているのは、引き続き5日移動平均線上を維持できるかになると思われます。
なぜなら、上昇している5日移動平均線上を維持できれば、3月上旬に発生した窓を埋めることにつながると考えられるからです。

また、5日移動平均線上を維持して25日移動平均線を終値で突破できれば、さらなる反発も期待できるのではないかと思われます。引き続きトレンドの窓埋めに注意しながら売買判断を行うようにしたいところです」としました。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

実際には、週初から5日移動平均線を上回って推移し、上げ幅が拡大する結果となりました。ちなみに、3月23日から25日のたった3日間でなんと約3,000円も上昇しております。ただ、月末、期末、年度末となる3月31日には、下向きで推移する25日移動平均線に届かなかったことに加え、上向きの5日移動平均線を下回って終えているのが分かります。

先週前半の上昇で再び窓が発生

また先週の上昇で、3月24日と25日のあいだに新たな窓が発生しているのが分かります。さらにこの窓は、3月12日と13日のあいだにあけた窓と同じ水準であいています。

このように、同じ価格水準で価格が飛んでしまう状態を見ますと、この価格帯の売り、買いの注文数量が少ないため、価格が飛んだ方向に動きが加速しているのではないかと私は考えています。

そうしたなか、前述のように3月31日には上向きの5日移動平均線を下回って終えていますので、5日移動平均線上を回復して維持できるかが注目ポイントになりそうです。

5日移動平均線上を回復して維持できるか

仮に5日移動平均線上を回復して維持するようですと、下向きの25日移動平均線を突破したり、突破して維持したりすることが期待されます。しかしその反面、このまま5日移動平均線上を回復できずに押し返されたまま終えるようですと、5日移動平均線が下向きに変化すると同時に上値の抵抗になることが考えられます。その場合、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないように注意する必要がありそうです。

一方、5日移動平均線を下回って下落が続いた場合、今回新たに発生した窓と3月23日と24日にあけた窓を埋めることが考えられます。そのため、下落途中の押し目買いも控えるか、下げ止まりを確認してから押し目買いを行う必要があると思われます。

今回のように、上向きの5日移動平均線と下向きの25日移動平均線に挟まれている状態のときには、株価の方向が読みづらいです。このようなときは移動平均線の向きと株価の方向を合わせて判断すると同時に、上昇でも下落でも直近に発生した窓に近づいていくような場合は、その方向にトレンドが発生したと考えるのが良いと思われます。そして、もし逆のポジションを持っている場合には、損失が発生したり、拡大したりしないようロスカットも視野に入れて判断するようにしたいところです。