【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 21,052.53  ▼360.91 (4/3)
NASDAQ: 7,373.08  ▼114.23 (4/3)

1.概況

米国市場は予想を上回る雇用の悪化を受けて反落となりました。ダウ平均は石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国が協調減産を協議しているとの報道を受けての原油高を好感して朝方に小幅に上昇する場面もありましたが、買いが続かず34ドル高で上値が押さえられるとその後は下げ幅を大きく広げる展開となりました。取引終盤に550ドル安まで売られたダウ平均は引けにかけてやや持ち直したものの結局360ドル安の21,052ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も114ポイント安の7,373ポイントとなっています。

2.経済指標等

3月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比70万1000人減と2010年9月以来9年半ぶりに減少し減少幅は市場予想を大きく上回りました。また、失業率も4.4%と前月の3.5%から大きく上昇しこちらも市場予想を上回る悪化となりました。一方で3月の米ISM非製造業景況感指数は52.5と前月から低下したものの、景気の拡大と縮小の節目となる50を割り込むとみていた市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が下げました。そのなかでも公益事業が3%以上下落したほか、素材と金融、コミュニケーション・サービスも2%を超える下げとなりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が4%以上下げたほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も4%近く下落しました。さらにビザ(V)やトラベラーズ(TRV)、IBM(IBM)に加えて、米国事業の従業員の一部を一時帰休すると発表したウォルト・ディズニー(DIS)も3%を上回る下落となっています。一方でファイザー(PFE)が2%を超える上昇となり、ボーイング(BA)も1%高となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、2020年1-3月期の世界の販売台数が前年同期比40%増えたと発表した電気自動車のテスラ(TSLA)が5%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%高い0.60%となりました。ドル円は108円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、安倍首相が近く緊急事態宣言を発令するか判断すると伝わるなか様子見でのスタートが予想されます。こうしたなか緊急事態宣言に関するニュースに神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)