【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 21,917.16  ▼410.32 (3/31)
NASDAQ: 7,700.10  ▼74.05 (3/31)

1.概況

米国市場は新型コロナウイルスの感染拡大が引き続き相場の重石となるなか前日に大きく上げた反動もあり大幅反落となりました。119ドル安でスタートしたダウ平均は消費者信頼感指数が市場予想ほど悪化しなかったことを受けて切り返すと152ドル高まで上昇する場面もありましたが、午後になって再び売りが優勢になると下げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に475ドル安まで売られたダウ平均は結局410ドル安の21,917ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も74ポイント安の7,700ポイントとなっています。

2.経済指標等

3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は120.0と前月から低下しましたが市場予想を上回りました。3月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も47.8と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。一方で1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比3.1%上昇に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、公益事業が4%安となったほか不動産も3%以上下落しました。また、金融も3%近く下げています。一方でエネルギーが1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)が5%以上下げたほか、ホームデポ(HD)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も4%を超える下落となりました。一方でキャタピラー(CAT)が4%近く上げ、ダウ(DOW)も2%余り上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、食品大手のコナグラ・ブランズ(CAG)が決算で2020年5月期の業績予想を上方修正したことで4%近く上げています。宅配ピザのドミノ・ピザ(DPZ)は1-3月期の米国の既存店売上高が1.6%増に止まり期待したほど伸びなかったことから6%を超える下落となりました。1ドルショップのダラー・ツリー(DLTR)も2021年1月期の業績見通しを取り下げたことで8%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い0.67%となりました。ドル円は107円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表されます。新型コロナウイルスの影響で大企業製造業の業況判断指数(DI)で7年ぶりのマイナスが見込まれるなど大幅な悪化が予想されていることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)