【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 22,327.48  △690.70 (3/30)
NASDAQ: 7,774.15  △271.77 (3/30)

1.概況

米国市場は新型コロナウイルスのワクチン開発への期待からヘルスケア関連株などに買いが入り大きく反発しました。41ドル高でスタートしたダウ平均は朝方こそ114ドル安まで下落する場面もありましたがすぐに買いが優勢になるとその後は上げ幅を大きく広げる展開となりました。引け間際に741ドル高まで買われたダウ平均は結局690ドル高の22,327ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も271ポイント高の7,774ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.4%上昇の111.5となり低下を見込んでいた市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもヘルスケアと情報技術が4%を超える上昇となったほか、生活必需品も4%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はボーイング(BA)を除く29銘柄が上げました。そのなかでもジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を9月までに開始すると発表したことで8%近く上げたほか、メルク(MRK)とマイクロソフト(MSFT)も7%以上上昇しました。また、インテル(INTC)とキャタピラー(CAT)も6%近く上げたうえ、ファイザー(PFE)とウォルマート(WMT)、コカ・コーラ(KO)も5%以上上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が投資判断の引き上げを受けて3%を超える上昇となっています。さらに薬品・医療機器のアボット・ラボラトリーズ(ABT)は米食品医薬品局(FDA)から新型コロナウイルスの新検査キットの承認が下りたと発表したことで6%を上回る上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い0.73%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場は大幅高となったものの、昨日の日本市場で日経平均が500円余りも下げ幅を縮めて取引を終えていることもあって本日の日本市場は様子見でのスタートが予想されます。こうしたなか本日は日本時間の10時に中国の3月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表されます。製造業では35.7と過去最低となった2月から9ポイント程度の改善が見込まれていることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)