【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 21,200.55  △495.64 (3/25)
NASDAQ: 7,384.30  ▼33.56 (3/25)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。トランプ政権と与野党の議会指導部が2兆ドル規模の経済対策で合意したことでダウ平均とS&P500株価指数は大幅続伸となりましたが、ナスダック総合株価指数は大手ハイテク株の一角に売りがでたことで小幅に反落となりました。

345ドル高でスタートしたダウ平均は740ドル高近くまで上昇したあと利益確定の売りが出て166ドル安まで下落しましたが、すぐに持ち直すと大きく上げ幅を広げ取引終盤には1,315ドル高まで買われました。しかし、引けにかけて急速に上げ幅を縮めると結局495ドル高の21,200ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も28ポイント高の2,475ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は33ポイント安の7,384ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米耐久財受注額は前月比1.2%増となり減少を見込んでいた市場予想を上回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注は前月比0.8%減となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、資本財・サービスが5%を超える上昇となったほか、不動産とエネルギーも4%以上上げています。一方でコミュニケーション・サービスと情報技術、生活必需品の3業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%を上回る下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)が2度の墜落事故を起こした737MAXの生産を5月までに再開する計画だと伝わったことで24%以上上げ上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で210ドル以上押し上げています。また、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も11%近く上げたほか、決算で売上高が市場予想を上回ったナイキ(NKE)も9%以上上昇しています。一方でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)が8%以上下げ、ウォルマート(WMT)も5%近く下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、新型コロナウイルスの影響で広告収入が弱含んでいると公表したフェイスブック(FB)3%近く下げ、同様に広告収入に依存するグーグルの持ち株会社のアルファベット(GOOGL)も連れ安となり2%を超える下落となりました。さらにディスカウントストア大手のターゲット(TGT)が利益率が低下するとの見通しも示したことで9%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い0.87%となりました。ドル円は111円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は日経平均が昨日までの3日間で3,000円近く上げた後ということもあって下落してのスタートが予想されます。急伸した後で利益確定の売りが出やすいなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)