流動性懸念の米ドル買い殺到

米ドル/円が先週から急騰した。「コロナ・パニック」を受けた未曽有の流動性への懸念が、基軸通貨である米ドル資金確保に殺到した結果とされる。ではそんな、「有事の米ドル買い」はいつまで続くのか。

テクニカルで考えると、先週の米ドル/円急騰で、2015年から続いてきた長期三角保ち合いを、再び上放れした形となった。2月に一時112円まで米ドル/円一段高となり、長期保ち合い上放れとなった動きは、その直後から「コロナ・パニック」が急拡大し、株安・円高へ急反転となったことで、いわゆる「ダマシ」となったが、歴史的乱高下の中で、改めて保ち合い上放れに戻った。このまま、長期保ち合いの上限、110円程度をサポートに、上値トライが続くかは、1つの注目点といえるだろう。

また、経験的に継続的なトレンドか、それとも一時的な動きの目安になる52週MA(移動平均線)は、足元で109円程度。そんな52週MAを米ドル/円が上回った状況が続くか、それとも下回るかによって、冒頭に述べた流動性懸念に伴う米ドル資金確保での米ドル高が続くか、一巡で反転となるかの1つの目安ではないか。