【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 21,237.38  △1,048.86 (3/17)
NASDAQ: 7,334.78  △430.19 (3/17)

1.概況

米国市場は米政権が1兆ドル規模となる経済対策を検討していることが明らかとなったことや、FRBが企業が短期資金の調達に使うコマーシャルペーパー(CP)を買い入れる緊急措置を発動すると発表したことを受けて急反発となりました。ダウ平均は前日に急落した反動で298ドル高と反発して始まりましたが、買いが続かず上げ幅を縮めるとマイナスに転じ306ドル安の19,882ドルまで売られ20,000ドルの大台をおよそ3年ぶりに割り込みました。しかし、まもなくして切り返すとプラスに転じ大きく上げ幅を広げる展開となりました。昼過ぎに1,190ドル高まで買われたダウ平均はその後やや弱含む場面もありましたが堅調に推移すると結局1,048ドル高の21,237ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も430ポイント高の7,334ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米鉱工業生産は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。一方で設備稼働率は前月から上昇し77.0%となったものの市場予想を下回りました。2月の米小売売上高も前月比0.5%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。3月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も72となり市場予想を下回っています。1月の米企業在庫は前月比0.1%減となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも公益事業が13%余り上昇したほか、生活必需品も8%を超える上昇となりました。また、不動産と情報技術、素材、ヘルスケアも6%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでも最高経営責任者(CEO)が中国での需要が回復し始めたと述べたことでダウ(DOW)が21%近く上げたほか、トラベラーズ(TRV)も13%を超える上昇となりました。また、インテル(INTC)とウォルマート(WMT)が12%前後の上昇となったうえ、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も10%高となっています。さらにプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も投資判断の引き上げを受けて9%近く上げています。一方でボーイング(BA)とウォルト・ディズニー(DIS)、マクドナルド(MCD)が下げ、ボーイングは信用格付けの引き下げを受けて4%を上回る下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ネット通販の需要拡大で10万人を新たに採用すると発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)が7%高となりました。ゼネラル・モーターズ(GM)は全米自動車労組が自動車大手3社に対して新型コロナウイルスの感染から組合員を守るため2週間の工場閉鎖を求めたと伝わったことで3%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.36%高い1.08%となりました。ドル円は円安に振れ107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばし節目の17,500円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)