【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,018.16  △1,167.14 (3/10)
NASDAQ: 8,344.25  △393.58 (3/10)

1.概況

米国市場はトランプ米大統領が給与減税などの経済対策を検討すると表明したことを好感して急反発となりました。601ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後に950ドル高近くまで上昇したあと上げ幅を縮めると昼前にマイナスに転じ160ドル安まで売られましたが、トランプ米大統領が与党議員との協議で年内の給与税をゼロにすることを提案したようだと伝わるとまもなくして持ち直し取引終盤に再び上げ幅を大きく広げる展開となりました。結局ダウ平均は1,167ドル高の25,018ドルと4日ぶりに反発しほぼ高値引けで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も393ポイント高の8,344ポイントとなりこちらも4日ぶりの反発となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術と金融が6%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスと資本財・サービス、エネルギーも5%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでもJPモルガン・チェース(JPM)とホームデポ(HD)、アップル(AAPL)が7%以上上昇したほか、マクドナルド(MCD)とマイクロソフト(MSFT)、ウォルト・ディズニー(DIS)も7%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が中国の上海工場で生産設備を拡大する計画を中国当局に申請したと伝わったことで6%を超える上昇となりました。スポーツ用品販売のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)も決算で売上高が市場予想を上回ったことで4%余り上げています。また、増配を発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)も8%を上回る上昇となったうえ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が目標株価の引き上げを受けて5%余り上げています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.27%高い0.81%となりました。ドル円は105円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

トランプ米大統領の経済対策発言に関しては昨日の日本市場で既に織り込まれていることから本日の日本市場は売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)