2018年の安値19,155円が視野に入ってきた
東京株式市場は今週も波乱含み。週明け3月9日の日経平均は米国株の不安定な動きに加え、OPECプラスの追加減産合意失敗で円の急騰、原油価格の急落と、外部環境の悪化が重なり、2万円を割り込む展開となりました。
2019年8月安値をあっさりと下回り、2018年の安値(19,155円)が視野に入ってきました。週後半、3月12日開催のECB理事会での金融緩和はすでに織り込まれています。一方、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合での協調的な政策期待が支えになる、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の買い入れ観測などが強まれば、短期筋の買い戻しをきっかけに反発につながる可能性はあります。
過去の急落値幅はヒントになるか
さて、今回は表題の2点に注目しました。まず、過去の急落値幅がヒントにならないかどうか。日経平均は2018年以降、24,000円を超えた直後に大幅調整となったことが、今回以外で、2度ありました(図表1)。
2018年1月高値の24,124円からの下げ幅は3,507円、2018年10月高値の24,270円からの下げ幅は5,115円です。今回は1月高値24,083円から先週末時点で3,300円程度の値幅調整を強いられました。過去2回の急落時の調整値幅を1月高値から当てはめると、20,576円、18,968円となります。
ただ、20,576円は一瞬にして下回ってしまい、次は18,968円処で下げ止まるかどうか。この水準は、2018年12月安値19,155円、2017年9月安値19,274円を含め、19,000円前後という範囲で見るべきフシだと思われます。
SQ前後は相場の目先の分岐点に
次は、SQ(特別清算指数)前後の動きに注目しました。週末は3月限のメジャーSQがあります。直近3年間を振り返りますと、昨年の場合、SQ直前は下げましたが、SQ後にいったん上昇。2018年と2017年は直前まで上昇基調でしたが、SQ後は下落に転じた経緯があります。つまり、SQ前後は相場の目先の分岐点になってきました。
一方、図表2は、2000年以降で、今回と同じく強い下落相場で迎えた過去5回(2001年、2007年、2008年、2009年、2011年)の3月のメジャーSQのケースをみると、平均ではSQ直後に安値を付け上昇する推移になります。
SQ直前に安値を付けたことも5回のうち2回あったことから、今週前半も下げが続くようですと、後半~来週前半に安値を付け、反発に転じる見方ができそうです。
暦の「満月」(3月10日)付近でどう変化するかも注目点となります。