【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25864.78 ▼256.50 (3/6)
NASDAQ: 8575.62 ▼162.98 (3/6)
1.概況
先週末の米国市場は引き続き新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気した売りで続落となりました。664ドル安でスタートしたダウ平均は取引開始直後に894ドル安まで売られたあと330ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、取引終盤には取引開始直後の安値近辺まで再び下げ幅を広げました。しかし、引けにかけて急速に下げ幅を縮めると結局256ドル安の25,864ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も162ポイント安の8,575ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から27万3000人増となり市場予想を上回りました。平均時給は前年比3.0%上昇し市場予想と一致しています。失業率は前月から0.1ポイント低下の3.5%となっています。また、1月の米消費者信用残高は120億2116万ドル増に止まり市場予想を下回りました。1月の米卸売在庫も前月比0.4%減となり市場予想を下回っています。米卸売売上高は前月比1.6%増となりました。1月の米貿易収支の赤字額は前月比6.7%減の453億3800万ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが5%を超える下落となったほか、金融も3%を上回る下げとなりました。また、素材と情報技術も2%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では長期金利の低下を受けJPモルガン・チェース(JPM)が5%以上下げ下落率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も3%近く下落しました。また、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国が原油の減産拡大で合意できなかったことでエクソンモービル(XOM)も5%近く下げたうえ、シェブロン(CVX)も2%近く下落しました。一方でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が3%を超える上昇となっています。さらにスリーエム(MMM)とウォルト・ディズニー(DIS)、ウォルマート(WMT)が1%以上上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.15%低い0.76%となりました。一時は0.66%を付け過去最低を更新する場面もありました。ドル円は朝方に大きく円高が進み104円近辺で推移しています。一時103円台半ばまで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下値模索となりそうでドル円の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)