【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26703.32  △1,293.96 (3/2)
NASDAQ: 8952.17  △384.80 (3/2)

1.概況

米国市場は前日にパウエルFRB議長が経済を支えるために適切に行動するとした緊急声明を公表したことに加えて、日銀が潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針との総裁緊急談話を発表したことや、欧州中央銀行(ECB)も緩和に前向きな姿勢を示していると伝わるなど世界の主要な中央銀行が協調して金融緩和に動くとの期待から急伸しました。
181ドル高でスタートしたダウ平均は750ドル高程度まで上げ幅を広げた後一旦上値が伸び悩みましたが引けにかけて一段高になると結局1,293ドル高の26,703ドルとほぼ高値引けとなり8日ぶりに反発して取引を終えています。ダウ平均の上げ幅は2018年12月26日の1,086ドルを上回り過去最大となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も384ポイント高の8,952ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

2月の米ISM製造業景況感指数は50.1と前月から低下し市場予想も下回りましたが、好不況の分かれ目である50は維持しています。また、1月の米建設支出は年率換算で前月比1.8%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも公益事業と情報技術、生活必需品、不動産が5%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでも投資判断の引き上げを受けてアップル(AAPL)が9%を超える上昇となったほか、ウォルマート(WMT)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も7%以上上げています。また、マイクロソフト(MSFT)とトラベラーズ(TRV)、メルク(MRK)も6%を上回る上昇となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、物言う株主が最高経営責任者(CEO)の退任を求めていることで経営改革が進むとの期待からツイッター(TWTR)が8%近く上げました。さらにバイオ製薬のギリアド・サイエンシズ(GILD)ががん免疫療法開発のフォーティー・セブン(FTSV)を買収すると発表したことで9%近く上げています。フォーティー・セブンは買収価格にさや寄せする格好で急騰し62%近く上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い1.16%となりました。ドル円は108円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場の急伸を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,500円を上回ってどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)