【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25409.36 ▼357.28 (2/28)
NASDAQ: 8567.37 △0.89 (2/28)
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は新型肺炎の感染拡大を懸念した売りで7日続落となりましたが、主力ハイテク株への買いを支えにナスダック総合株価指数はわずかに反発しました。
495ドル安でスタートしたダウ平均は一時1,085ドル安まで下げ幅を広げましたが、午後に経済を支えるために適切に行動するとした緊急声明をパウエルFRB議長が公表すると利下げ期待が高まり引けにかけて下げ幅を縮める展開となりました。結局ダウ平均は357ドル安の25,409ドルで取引を終えています。この結果ダウ平均の週間の下げ幅は3,583ドルとなり過去最大となっています。
また、S&P500株価指数も24ポイント安の2,954ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は0.8ポイント高の8,567ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。一方で米個人所得は前月比0.6%増となり市場予想を上回っています。2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も49となり市場予想を上回りました。 2月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も101.0と速報値から上方修正され市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、公益事業が3%を超える下落となったほか、金融と不動産、生活必需品も2%以上の下げとなりました。一方でエネルギーと情報技術、コミュニケーション・サービスの3業種が上げ、エネルギーが1%を上回る上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)とJPモルガン・チェース(JPM)が4%を上回る下落となったほか、トラベラーズ(TRV)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ホーム・デポ(HD)も3%以上下げています。一方でエクソンモービル(XOM)が3%以上上げたうえ、マイクロソフト(MSFT)とダウ(DOW)も2%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄以外では決算が最終赤字となったことで代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が急落し15%以上下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利はパウエルFRB議長の声明を受けて利下げ観測が強まり0.11%低い1.15%となりました。一時は1.11%を付け過去最低を更新する場面もありました。ドル円は大きく円高に振れ107円台後半で推移しています。朝方には一時107円近辺まで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場でダウ平均が続落となったことや円高が進んでいることに加え、先月29日に発表された中国の2月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が大幅に悪化しともに過去最低となったことなどから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)