【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25766.64 ▼1,190.95 (2/27)
NASDAQ: 8566.48 ▼414.30 (2/27)
1.概況
米国市場は新型肺炎の米国内などでの感染拡大を嫌気した売りで急落となりました。431ドル安でスタートしたダウ平均は960ドル安まで売られたあと持ち直し昼過ぎに182ドル安まで下げ幅を大きく縮めましたが、米国内で新型肺炎の新たな感染者が確認されたと伝わると再び下げ幅を広げ結局1,190ドル安の25,766ドルと安値圏で取引を終え6日続落となりました。ダウ平均の下げ幅は2018年2月5日の1,175ドルを超え過去最大となり、12日に付けた史上最高値からの下落率は12%以上となり調整局面入りとされる10%を上回っています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も414ポイント安の8,566ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
2019年10-12月期の米GDP改定値は速報値と変わらずの年率換算で前期比2.1%増となり市場予想と一致しました。また、1月の米耐久財受注額は前月比0.2%減に止まり市場予想を上回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も前月比1.1%増となり市場予想を上回っています。1月の中古住宅仮契約指数も前月比5.2%上昇の108.8となり市場予想を上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件増の21万9000件となり市場予想を上回る悪化となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも不動産とエネルギー、情報技術が5%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はスリーエム(MMM)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもマイクロソフト(MSFT)が新型肺炎の感染拡大によるサプライチェーンの混乱で1-3月期のパソコン関連部門の売上高が会社予想に届かない見込みだと発表したことで7%安となり下落率トップとなりました。また、ダウ(DOW)とアップル(AAPL)、インテル(INTC)、エクソンモービル(XOM)も6%以上の下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(SPCE)が相次ぐ投資判断の引き下げを嫌気して急落し23%以上下げています。一方で決済アプリのスクエア(SQ)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで3%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%低い1.26%となりました。ドル円は109円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場の急落を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,500円を割り込んで下値模索の展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)