周囲の声ではなく「本当にしたいこと」を明確にする

こんにちは。プロコーチの三升谷真秀です。2020年もご縁をいただき、コラムを書くことになりました。今年もよろしくお願いします。

さて突然ですが、もしあなたの人生が1年後に終わるとしたらどうしますか?新年に縁起でもない、と思われるかもしれませんが、この問いかけをすると、自分が本当にどうしたいのかが明確になります。

私たちの人生は、ひとつの映画のようなもので、その主人公は当然自分です。ところがともすると、あなたは主人公ではなく、他の人の映画の脇役ばかり演じていることはないでしょうか?

周囲の声を聞き過ぎたり、世間体や常識を気にしすぎたりして、本当の自分の心の声を聞けなくなってしまうと、本当に自分がやりたいことが、下手をすると、自分自身が何者なのかさえもわからなくなってしまいます。

元来日本には、「周りの人の気持ちを考える」「場を読む」といった文化や教えがあります。良いところもありますが、それによって自分を後回しにしてしまう傾向にあります。

日本人の7割が低い「自立性」

私はコミュニケーションの構造分析(ACS※)を専門にしています。このACSテストの尺度の中に「自立性」という尺度があります。自立性は「1人で生きていくことを好むか、家族や友人と心を繋いで生きていくことを好むかを見る」ものです。

欧米人は、幼少時から「あなたは何をやりたいの?」と常に問われながら育っていますので、自立性が高いです。一方、日本人の7割近くは、自立性が低めです。自立性が低いと「周りに良く思われたい」「周りと上手くやっていきたい」という発想が強く出てきます。

それは日本の文化で培われた個性です。周りの声を自分の声よりも大切にしたり、他人の意見を自分のものとして鵜呑みにしたりしてしまうのであれば、それは決して幸せな人生とは言えないのではないでしょうか?

自分の人生に責任を持ち、自分を幸せにできるのは、自分しかいません。そのためには、まず「自分がどうしたいのか?」です。

これは決して「目標や理想や野望を持て」ということではありません。「こうなるべき」と結論づけることでもありません。結論づけてしまうと、それはストレスにしかなりません。ただ「自分が〇〇になるにはどうあればいい?どうすればいい?」と問いかけてみてください。

あなた自身が自分と向き合い、幸せになるとき、周りも幸せになります。今年は幸せが訪れるのを待つのではなく、自分から積極的に幸せになることを選択してみてはどうでしょうか?

お金との付き合い方も自分で決めることができる

またお金に対しても、居心地の良い距離を持つのではなく、自分からお金との関係を親密にすることができます。今のあなたのお金との距離はどうでしょうか?近い?遠い?冷たい?それとも無関心?あなたがお金との関係性を決めることができます。

お金とはどのように付き合いますか?自分のやりたいことのために使いますか?子どもに残しますか?社会貢献のために寄付しますか?どんなことでもいいですが、そのお金は十分でしょうか?それとももっと増やしていきたいでしょうか?

もしお金をもっと増やしていきたいなら、どんなやり方をしますか?あなたが働くこともできますし、お金に働いてもらうこともできます。お金と仲良くなるために、お金の仕組みについて知ることもできるでしょう。正解はありませんので、好奇心を持ってあなたにとって機能するやり方を試してみてくださいね。


(※)ACS: Analysis of Communication Structureの略。カップルカウンセリング先駆者の和田真雄先生が、「個性論」という考え方のもと、計量心理学の権威である村上隆先生と日本心理学会で発表している科学的根拠のある心理テスト。一般の心理テストがEQ「行動特性」を測定しているのに対し、ACSはCQ「発想パターン」を測定しているのが特徴です。参照:CQ協会(外部サイトへ遷移します)