【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28907.05  △83.28 (1/13)
NASDAQ: 9273.93  △95.07 (1/13)

1.概況

先週末の米国市場は利益確定の売りに押されて反落しました。小幅高で始まったダウ平均は一時52ドル高の29,009ドルまで上昇し、史上初めて29,000ドル台で推移する時間帯もありましたが徐々に売りに押されるとマイナスに転じました。午後にかけても軟調に推移したダウ平均は結局133ドル安の28,823ドルで取引を終えました。S&P500も下落したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も24ポイント安の9,178ポイントと反落しました。

昨日の米国市場は米中が貿易交渉の第一弾合意後も継続的に協議することで一致したとの報道や、米国が中国を為替操作国リストから外すことを検討していると報じられたことを受け米中関係改善への期待が高まり反発しました。45ドル高で始まったダウ平均は一時は小幅なマイナスとなる場面がありましたが概ね堅調に推移すると、取引終盤にかけて上げ幅を広げて結局83ドル高の28,907ドルと高値圏で取引を終えました。S&P500は22ポイント高の3,288ポイント、ナスダック総合指数は95ポイント高の9,273ポイントと両指数はそれぞれ史上最高値を更新しました。

2.経済指標等

先週末に発表された12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から14.5万人増と市場予想を下回りました。失業率は前月から変わらずの3.5%で市場予想と一致しました。平均時給は前年比2.9%の上昇で市場予想を下回っています。昨日は主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は金融や資本財・サービスなどの8業種が下落しました。一方で不動産、公益事業、ヘルスケアの3業種が上昇し不動産は1%近く上昇しています。

昨日の業種別S&P500株価指数はヘルスケアを除く10業種が上げました。中でも素材、情報技術、不動産が1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

先週末はダウ平均を構成する30銘柄のうち上昇は8銘柄にとどまり22銘柄が下落しました。米連邦航空局をからかった社内文書が公表されたボーイング(BA)は運行停止中の737MAXの再承認が遅れるのではとの警戒感から売られて2%近く下落しました。その他にもトラベラーズ(TRV)やダウ(DOW)、JPモルガン・チェース(JPM)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が1%以上下げています。一方でファイザー(PFE)は1.5%上昇しています。

昨日はダウ平均を構成する30銘柄のうち21銘柄が上昇、9銘柄が下げました。ハイテク株が買われアップル(AAPL)が2%超上昇して上昇率トップとなったほか、シスコシステムズ(CSCO)やマイクロソフト(MSFT)、インテル(INTC)なども1%以上上げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)やウォルトディズニー(DIS)などが下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではアナリストの目標株価引き上げを受けて電気自動車のテスラ(TSLA)が10%近く上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は雇用統計が市場予想を下回ったことを受け0.03%低い1.82%となりました。昨日の長期金利は0.02%高い1.84%となりました。ドル円は円安に振れ109円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末と昨日合わせてダウ平均は49ドル安と小幅に下げたもののドル円が110円近くまで円安に振れていることやS&P500やナスダック総合指数が史上最高値を更新したことを受け本日の日経平均は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が24,000円の節目を超えてくるがどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)