【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28745.09  △161.41 (1/8)
NASDAQ: 9129.24  △60.66 (1/8)

1.概況

米国市場はイランがイラク国内の米軍基地を攻撃したことに対してトランプ米大統領が演説で軍事力を行使したくはないと発言し武力行使に慎重な姿勢をみせたことで反発し、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。27ドル安と下落してスタートしたダウ平均は直ぐにプラスに転じるとしばらく小幅高で推移していましたが、トランプ米大統領の声明を受けて上げ幅を大きく広げる展開となりました。取引終盤に282ドル高まで上昇しダウ平均は引けにかけて大きく上げ幅を縮めたものの結局161ドル高の28,745ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も60ポイント高の9,129ポイントとなりこちらは2日に付けた史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

12月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は20万2000人増となり市場予想を上回りました。11月の米消費者信用残高は前月比125億ドル増の4兆1760億ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やコミュニケーション・サービス、ヘルスケアなどの9業種が上げ、情報技術は1%高となりました。一方でエネルギーと公益事業が下げエネルギーは2%近く下げています。

4.個別銘柄動向

百貨店メーシーズ(M)が年末商戦の売上高が市場予想ほど悪化しなかったことで買われ2%を超える上昇となりました。また、量産車のモデル3の販売好調に加え、中国事業への期待から電気自動車のテスラ(TSLA)が5%近く上げ前日に続いて上場来高値を更新しています。一方でドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったことで6%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。さらにウクライナ国際航空のボーイング737機がイランで墜落したことを受けてイランのウクライナ大使館が墜落はエンジンの故障が原因との見方を示したことでボーイング(BA)も2%近く下げ、ダウ平均構成銘柄でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスに次ぐ下落率となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い1.87%となりました。ドル円は円安に振れ109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,500円を上回ってどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)