南アランド/円とメキシコペソ/円
年明け早々、米国とイランの関係緊迫化、いわゆる「中東ショック」を受けて、リスクオフが広がると、基本的にリスク資産と位置付けられる高金利の新興国通貨も大きく売られた。南アランド、メキシコペソは、それぞれ対円で最大4.1%、2.6%の下落となった。そこで改めて、高金利通貨の下落メドについて考えてみた。
下落メドの考え方は、基本的には2つに大別されるだろう。リスクオフがあくまで一時的の場合と、継続的にトレンドとして展開する場合だ。
前者なら、基本的には52週MA(移動平均線)を大きく、長く下回らない程度の下落にとどまる可能性が高い。52週MAは南アランド/円が7.54円、メキシコペソ/円が5.64円(図表1・2参照)。このため、かりに一時的なリスクオフで売られるなら、52週MAを5%以上といった具合に大きく、1ヶ月以上といった具合に長く下回らない程度の下落にとどまる可能性が高そうだ。
逆にいうと、52週MAを大きく、長く下回るようなら、リスクオフの動きは一時的ではなく、継続的に展開している可能性が高いといった見方になる。
私は今のところ、米国とイランの対立などに伴うリスクオフは一時的の可能性が高いと考えているので、そうであれば、高金利通貨の下落も52週MAを大きく、長く下回らない程度にとどまるのではないかと考えている。
【図表1】南アフリカランド/円と52週MA(2000年~)
【図表2】メキシコペソ/円と52週MA (2001年~)