米ドル/円 日足

週間予想レンジ:109.00~110.50

メインストラテジー:押し目買い

・年末の商い薄で波乱があってもあくまで小幅に留まり、コップの中の嵐
・米中第一段階合意、リスクオンの環境における「出遅れ」が鮮明に
・10月末からの保ち合いが長く続いてきた分、上放れ後のモメンタムを強める

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は値幅限定的、先週線のサイン(強気リバーサル)を継承した形になったものの、年末の商い薄も明らか。先々週の切り返しで鮮明なサインを点灯した以上、見方はその延長線における蓋然性を繰り返したい。

12月第1週の大陰線は先々週の切り返しをもって再度否定された。米中合意などリスクオンに作用する材料があった上、108円台前半のサポートの厚さが証明されたところが大きく、我々の見方の一貫性を証左する。またブル基調の蓋然性を一段と強めたことは既述の通りであり、これからも切り返しを継続しよう。

週足におけるサインは整合性を持って判断すべきで、11月第1週の大陽線がもっとも重要だったことも繰り返し指摘してきた。11月第2、第3週の値幅は共に低下していたので、第1週の罫線と「インサイド」を形成、11月末の高値トライをもって上放れを示唆した。8月高値109.33円のブレイクをもって新たな段階入りが示唆された以上、12月第1週の再反落を一種の「振り落とし」と見なされた。

テクニカル上の証拠は変わっていない。8月1日の大陰線は典型的な「弱気リバーサル」&「アウトサイド」のサインを点灯したからこそ8月の安値につながった。そのため同日高値は「分水嶺」の役割を果たし、ブレイクがあれば最早「切り返し」ではなく本格的な上昇波と化したはずである。

中期スパンでは、4月高値112.41円までの上昇は途中の抵抗があっても総じてスピード調整にすぎず、上昇モメンタムの加速はこれからだろう。10月末から形成されてきた保ち合いが長く続いてきた分、円安の加速は最早問題ではない。年末年始における「フラッシュ・クラッシュ」があるとしたら、今年年初と違ってドルではなく円の「フラッシュ」になってもおかしくない。要注意だ。

もっとも重要な視点も変わっていない。8月26日の一時安値更新や当日の陽線引けがあって、底打ちを果たす「リバーサル・デー」を果たしたわけだ。同サインの有効性、109.33円のブレイクをもって最終的に証明された以上、また8月安値打診自体が究極な「ダマシ」であったことを証左する。

同「ダマシ」のサインに対する反動高の意味合いでも112.41円の回復を図り、さらに2018年高値の114.56円の打診に道筋を付けるだろう。日足における大型「三尊底」の構造も前記ターゲットの可能性と合致し、上値余地を拓く公算が大きい。

最近の日足では、12月19日の陰線は一旦「弱気リバーサル」、また「アウトサイド」のサインを点灯したものの、12月13日の値幅に鑑み、むしろ大きな「インサイド」の一環とみる。要するに、商い薄の中、小さなサインの点灯があっても「コップの中の嵐」で過大解釈は不要。年末年始における波乱があってもおかしくないが、前記のように、円高の蓋然性が大分後退した以上、引き続き円安方向への展開に注目したい。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:75.00~77.50

メインストラテジー:押し目買い

・高値圏をキープ、ブル基調を一段と証左
・7月高値76円台前半の打診はもはや通過点に過ぎない
・すでに新たな上昇段階に入り、年末年始の波乱があっても上値トライへ

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は値幅限定的、高値圏でも保ち合いを維持した。年末の商い薄もあって、基本的には過大な解釈は不要だが、基調の維持という意味合いでは一貫性を保った。

先々週は大幅続伸、11月高値の更新をもってブルトレンドを一段と証左した以上、見通しは全く変わらない。既述のように先々週の大陽線は「強気リバーサル」のサインを点灯、これからの上昇加速を示唆したから、高値トライはこれからだろう。

繰り返し指摘してきた通り、11月第2週から12月第1週まで、大きな「インサイド」のサインを形成したから、先々週の高値更新、上放れを決定させた。上放れが確認された以上、これから上昇加速の公算が大きい。

11月第2週で発表された豪雇用統計が不調となり、結果的に豪ドルの一時的な「深押し」をもたらしたものの、あくまで途中のスピード調整だった。先々週の高値更新をもってブルトレンドを再度確認、新年に入ってからモメンタムを再加速しよう。

既述のように、9月高値へのブレイクをもって8月安値を起点とした上昇波の継続を確認できた。これからも息の長い上昇を果たせるため高値更新は自然の成り行き。

スピード調整がすでに行われたからこそ、より健全な上昇波の形成につながる。今年年初のような試練が可能性として完全に否定できないが、確率としては高くないだろう。年末年始の商い薄でも上値トライしやすい環境である。

8月26日のサインが果たした「リバーサル・デー」の役割が大きく、9月高値のブレイクをもって最終認定が図られたことが繰り返し指摘した通り。ゆえに、ブルトレンドは76円台に留まることがなく、76円台半ばや後半の打診があっても通過点に過ぎず、年末年始でも77円台後半~78円関門前後の上値打診があり得るだろう。

最近のサインとして、12月16日の一旦安値打診、12月13日安値を一旦下回ったものの、その後切り返し、再度200日移動平均線のサポートを証左した。同安値打診が小さい「フォールス・ブレイクアウト」のサインだったと示す。

12月13日の陰線自体が「弱気リバーサル」のサインを灯し、また11月高値に対する一時のブレイが「ダマシ」だった可能性も暗示していたことに鑑み、これからの高値更新があれば、逆に13日陰線の意味合いを否定することで一段とブルトレンドの強さにつながる。強気スタンスを維持しておきたい。