米中貿易協議の部分合意とハードブレグジットの懸念後退で大幅高
12月に入って、先週は劇的な動きが2つありました。1つは、米中の貿易協議で部分的に合意されたことです。またもう1つは、英国の総選挙で与党が勝利し、EUからの合意なき離脱への警戒が後退したことです。
この2つの出来事が同じ日に起こったために、株価は一気に水準を切り上げる展開となりました。
では、早速チャートで確認したいと思います。
チャートを見ると分かりますが、前述のように米中貿易協議の一部合意と英総選挙で与党が勝利したことから、12月12日まで続いていたもち合いから窓を大きくあけて上放れる結果となりました。
また、上放れたあとの値動きを見ますと、24,000円台を終値で回復したことに加え、これまで何度も解説している5日移動平均線上を維持しており、株価の戻りが続いていると考えられそうです。
ついに1年2ヶ月ぶりの窓埋め達成!
そして何より、昨年10月4日と9日のあいだに発生し、およそ1年2ヶ月のあいだ埋めることができなかった窓を埋めているのが分かります。
前回まではもち合いが続いていたことに加え、12月4日と5日のあいだに窓が発生していたことから、「こうしたもみ合いのなかで発生した窓は、コモンギャップ(=普通の窓)と考えられます。この窓は12月10日現在の終値よりも下に位置しており、今後埋まることになるのか、あるいは埋まらずに株価は上昇することになるのかが注目ポイントになりそうです」としていました。
そうした中で前述の材料によって一気に上放れる結果となり、昨年10月の高値に迫るなか、遂に当時発生した窓を埋める結果となりました。
いよいよアベノミクス相場の高値に迫る
こうなりますと、今後の展開が注目されます。今回発生した窓がどの窓なのかによって、今後の展開にも影響を与えそうです。
この窓について、私は過去の値幅の範囲内で発生していることからコモンギャップではないかと考えています。
また、上向きの5日移動平均線上を維持しているものの、少しずつ水準を切り上げる展開となっています。このまま5日移動平均線上を維持してくれれば、昨年10月の高値を更新することも視野に入ると考えられる反面、割り込むようですと、今回発生した窓を埋めることも考えられるのではないかと思われます。
いよいよ、アベノミクス相場の高値に迫ってきましたが、新たな水準に株価が向かうことになるのか、年末まで目が離せない状況が続きそうです。