【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28235.89  △100.51 (12/16)
NASDAQ: 8814.23  △79.35 (12/16)

1.概況

米国市場は前週末に米中が貿易協議の第1段階で合意したことを好感した買いが続き4日続伸となり、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。56ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして200ドル高余りまで買われたあと徐々に上げ幅を縮める展開となりましたが結局100ドル高の28,235ドルとなり先月27日に付けた史上最高値(28,164ドル)を更新して取引を終えています。

またS&P500株価指数も22ポイント高の3,191ポイントとなり連日で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も79ポイント高の8,814ポイントとなりこちらも連日で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

12月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は3.5と前月から上昇しましたが市場予想を下回っています。一方で12月の全米住宅建設業協会(NAHB)の住宅市場指数は76となり市場予想を上回りました。12月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は52.5となり市場予想と一致しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスを除く10業種が上げ、エネルギーと公益事業、ヘルスケア、コミュニケーション・サービスが1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

半導体メモリーのウエスタンデジタル(WDC)が投資判断の引き上げを受けて4%余り上げました。半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジー(MU)も投資判断と目標株価の引き上げを好感して3%以上上げています。また、電気自動車のテスラ(TSLA)が車載電池の開発で先行しているとの指摘を受けて6%を上回る上昇となり上場来高値を更新したほか、アップル(AAPL)も2021年末までに15%の上昇余地があるとの評価を受けて2%近く上げ上場来高値を更新しています。さらに配車サービス大手のウーバー・テクロノジーズ(UBER)も不採算のインド事業を売却する交渉を進めていると伝わり5%を超える上昇となっています。

一方でボーイング(BA)が4%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり1銘柄でダウ平均を100ドル近く押し下げています。2度の墜落事故を起こした737MAXの生産の停止か一段の減産を検討していると報じられたことが嫌気されました。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い1.87%となりました。ドル円は109円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の24,000円を回復して13日に付けた年初来高値(24,023円)を更新しそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)