今週の相場動向
相場回顧 BTC:経済イベントが続き市場は様子見、方向感に欠く展開
BTCは、買い優勢で始まるも週末にかけては再度下落し、方向感に乏しい展開となった。週足では小幅下落となった。
欧米の金融政策決定会合や、英国総選挙、そして15日に控える米中追加関税と経済イベントが続く中、今週は株式為替を含めた市場全体で様子見姿勢が強まった。注目されたBakktのビットコインオプション取引提供開始による相場への影響は短期的には見られていない。
ETHは8日にIstanbulハードフォークを無事に完了した。直後強い動きを見せるも、その前にリスク回避的に売られていたこともあり、週足ではBTC建てで横ばいとなった。
XRPはBTC建てで上昇した。SBIが株主優待へのXRP利用を検討していることや、Xpringの開発者向けツールがリリースされたことなどが影響したか。
来週の相場予想
本格化する中国ブロックチェーン構想、引き続きBTC=75万円(7,000ドル)を意識
中国政府・金融機関によるブロックチェーン関連の取り組みが本格化しつつある。今週は、中国人民銀行が深セン市と蘇州市でデジタル人民元のテストを年末に開始、との報道が見られた。また、4大商業銀行である中国銀行と中国建設銀行がブロックチェーンを活用した金融サービスの提供に動いている。さらに、中国大手企業を含むコンソーシアムプロジェクト「Blockchain-Based Service Network」はブロックチェーンアプリの開発・運用を2020年にかけて進めていくとのことだ。
追加報道によってこれらの活動が具体化すれば、年内あるいは年明けにかけて、ビットコインが息を吹き返す可能性は十分に考えられる。欧州ECBがデジタル通貨発行の可能性を協議、との報道も見られ、デジタル人民元をはじめとする中国ブロックチェーン構想の世界的な影響は、今後ますます広がっていくだろう。
Bakktオプション取引が期待外れに終わり、現状は上述したように中国頼みの状況と言える。しかし、クリスマス休暇や年末にかけて株式為替の売買が盛り上がれば、価格の上下を問わず、暗号資産市場にもうねりが出てくるに違いない。引き続き、弱気相場に変わりはないが、直近下値としてBTC=75万円(7,000ドル)を意識する。