このレポートのまとめ
- ホームデポの決算は悪かった
- メドトロニックの決算は良かった
- ロウズ・カンパニーズの決算は悪かった
- ターゲットの決算はまちまちだった
- メーシーズの決算は悪かった
- スプランクの決算は良かった
- ノードストロムの決算は良かった
- ギャップの決算は良かった
■ホームデポ(HD) 悪かった
ホームデポ(ティッカーシンボル:HD)の第3四半期(10月期)決算は一株利益(EPS)が予想2.53ドルに対し2.53ドル、売上高が予想275.1億ドルに対し272.2億ドル、売上高成長率は前年同期比+3.5%でした。
2020年の一株利益(EPS)は予想10.13ドルに対し新ガイダンス10.03ドルが、売上高は予想1,107.6億ドルに対し新ガイダンス1,102億ドルが提示されました。
今回の決算がいまひとつ冴えなかったことに関し、ホームデポ側は「これはマクロ経済の問題ではない」と語っています。
その証拠に全ての部門で既存店売上比較はプラスでした。既存店売上比較を来店客数と価格に分解すると、来店客数はプラスでした。ビッグ・チケット・アイテムの既存店売上比較は+4.8%でした。
プロ向け、DIYの両方とも成長していますが、強いて言えばプロ向け(売上高の45%)の方が速く成長しています。
米国の住宅市場は健全であり、住宅ローン金利の変動の影響はほとんどありません。
ホームデポは順次ITシステムのアップグレード中であり、旧システムの使用を完全に止めるのに予定より時間がかかっています。B2Bでは新システムのロールアウトが予定通り進んでいますが、それ以外では遅延しています。
米中貿易戦争に絡む関税の引き上げで一部コストが増加しています。それは今のところ上手く吸収できています。
マージンは商品の紛失により圧迫を受けています。紛失(=盗難)は増加傾向にあります。それを食い止めるための方策を検討中です。
塗料などで他社との競争が激化しています。
■メドトロニック(MDT) 良かった
メドトロニック(ティッカーシンボル:MDT)の第2四半期(10月期)決算は一株利益(EPS)が予想1.28ドルに対し1.31ドル、売上高が予想76.6億ドルに対し77.1億ドル、売上高成長率は前年同期比+3.0%でした。
部門別売上高は心血管疾患機器が前年比-0.1%の28.55億ドル、低侵襲療法機器が+4.6%の21.42億ドル、修復療法機器が+6.0%の21.12億ドル、糖尿病機器が+2.2%の5.96億ドルでした。
地域別売上高では米国が+2.1%の41.29億ドル、その他先進国が+1.4%の23.15億ドル、新興国が+9.4%の12.62億ドルでした。
営業キャッシュフローは19億ドルでした。フリー・キャッシュフローは16億ドルでした。
2020年の一株利益(EPS)は予想5.56ドルに対し新ガイダンス5.57~5.63ドルが提示されました。
■ロウズ・カンパニーズ(LOW) 悪かった
ロウズ・カンパニーズ(ティッカーシンボル:LOW)の第3四半期(10月期)決算は一株利益(EPS)が予想1.35ドルに対し1.41ドル、売上高が予想176.9億ドルに対し173.9億ドル、売上高成長率は前年同期比-0.2%でした。
既存店売上比較は+2.2%でした。月別では8月+2.8%、9月+2.0%、10月+2.0%でした。特にプロ向けの売上高トレンドが好調でした。
同社はネット通販のテコ入れに本格的に乗り出しています。
2020年の一株利益(EPS)は予想5.67ドルに対し新ガイダンス5.63~5.70ドルが、売上高は予想725.3億ドルに対し新ガイダンス720~740億ドルが提示されました。通年の既存店売上比較は+3%を予想しています。
カナダの店舗のうち成績の悪い34店舗を閉鎖し、5,300万ドルの損金を計上します。
■ターゲット(TGT) まちまちだった
ターゲット(ティッカーシンボル:TGT)の第3四半期(10月期)決算は一株利益(EPS)が予想1.18ドルに対し1.36ドル、売上高が予想184.5億ドルに対し184.1億ドル、売上高成長率は前年同期比+4.7%でした。
既存店売上比較は+4.5%でした。そのうち実店舗は+2.8%、デジタルの貢献は+1.7%でした。デジタル売上高は+31%でした。
2020年の一株利益(EPS)は予想6.17ドルに対し新ガイダンス6.25~6.45ドルが提示されました。通年の既存店売上比較は+3~4%を見込んでいます。
■メーシーズ(M) 悪かった
メーシーズ(ティッカーシンボル:M)の第3四半期(10月期)決算は一株利益(EPS)が予想-1セントに対し7セント、売上高が予想53.1億ドルに対し51.7億ドル、売上高成長率は前年同期比-4.3%でした。
既存店売上比較は自社店舗のみが-3.9%、ライセンス店舗を含めると-3.5%でした。予想は-0.7%でした。
去年の第3四半期がとても強かったことで前年比較が困難でした。売上鈍化は予想以上でした。在庫整理は進捗しておりマージンへの圧迫は限定的です。
2020年度の一株利益(EPS)は予想2.80ドルに対し新ガイダンス2.57~2.77ドルが、売上高は予想248.5億ドルに対し新ガイダンス243.5~244.7億ドルが提示されました。
■スプランク(SPLK) 良かった
スプランク(ティッカーシンボル:SPLK)の第3四半期(10月期)決算は一株利益(EPS)が予想55セントに対し58セント、売上高が予想6.05億ドルに対し6.26億ドル、売上高成長率は前年同期比+30.1%でした。
ソフトウェア売上高は前年同期比+40%の4.54億ドルでした。
営業キャッシュフローは-1.35億ドルでした。フリー・キャッシュフローは-1.62億ドルでした。
第4四半期の売上高は予想7.68億ドルに対し新ガイダンス7.8億ドルが提示されました。
■ノードストロム(JWN) 良かった
ノードストロム(ティッカーシンボル:JWN)の第3四半期(10月期)は一株利益(EPS)が予想64セントに対し81セント、売上高が予想36.7億ドルに対し36.7億ドル、売上高成長率は前年同期比-2.0%でした。
正価販売部門の売上高は前年比-4.1%でした。オフプライス部門の売上高は+1.2%でした。デジタル部門は+7%でした。デジタルが総売上高に占める割合は34.3%でした。
グロスマージンは34.3%でした。これは前年同期に比べて1%の改善でした。
2020年の一株利益(EPS)は予想3.29ドルに対し新ガイダンス3.30~3.50ドルが提示されました。売上高は-2%を予想しています。
■ギャップ(GPS) 良かった
ギャップ(ティッカーシンボル:GPS)の第3四半期(10月期)決算は一株利益(EPS)が予想51セントに対し53セント、売上高が予想39.6億ドルに対し40億ドル、売上高成長率は前年同期比-2.2%でした。なおギャップは11月7日に利益警告しており、今回は下方修正後のコンセンサス予想を上回った点に注意してください。
既存店売上比較は-4%でした。内訳はオールド・ネービー-4%、ギャップ-7%、バナナリパブリック-3%でした。
2019年の一株利益(EPS)は予想1.74ドルに対しこれまでのガイダンス1.70~1.75ドルが堅持されました。既存店売上比較は-5%前後になると予想しています。