【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27821.09 ▼112.93 (11/20)
NASDAQ: 8526.73 ▼43.93 (11/20)
1.概況
米国市場は米議会上院が可決した香港人権法案に対して中国が反発するなか米中関係の悪化が懸念され下落しました。54ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに米中貿易協議の第1段階の合意が来年にずれ込むかもしれないと伝わると一気に下げ幅を広げ一時は258ドル安まで売られました。その後ダウ平均は引けにかけて持ち直したものの結局112ドル安の27,821ドルで取引を終え続落となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も43ポイント安の8,526ポイントと4日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
10月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では大半の参加者が経済に関するデータが見通しの大幅な見直しを必要としない限り現在の政策スタンスが続くだろうとみていることが分かりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材やコミュニケーション・サービス、資本財・サービスなどの7業種が下げ、素材は1%を超える下落となりました。一方でエネルギーや公益事業などの4業種が上げ、エネルギーは1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る増収増益となったうえ、通期の1株利益の見通しも引き上げたことでディスカウントストア大手のターゲット(TGT)が急伸し14%余り上げました。ホームセンター大手のロウズ(LOW)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで4%近く上昇しています。また、米当局がニコチン規制を取り下げたと伝わったことでたばこ大手のアルトリア・グループ(MO)が3%以上上げています。
一方でテレビ契約者数が予想以上に減っていることの指摘を受けてAT&T(T)が2%を超える下落となっています。さらに決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったカジュアル衣料のアーバン・アウトフィッターズ(URBN)が急落し15%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い1.74%となりました。ドル円は108円台半ばでの推移となっています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場が下落したことに加えて、朝方にトランプ米大統領が香港人権法案に署名する見通しと伝わったこともあって本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,000円を前に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)