東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は124円安の2万3292円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下落しましたが新興市場のマザーズ指数は上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は小幅に史上最高値を更新しましたが、ドル円が108円台半ばまで円高に振れたことや高値警戒感もあり日経平均は50円安の2万3366円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げると10時過ぎに一時は171円安まで下落しました。ドル円がやや円安方向に戻したこともあって日経平均は急速に持ち直し前場を32円安で終えました。日経平均は後場に入ると80円安程度で推移する時間帯が続きましたが引けにかけてやや下げ幅を広げて結局124円安で取引を終えました。

東証1部の売買代金は1兆9674億円となりました。東証33業種は医薬品や不動産業、その他金融業などの11業種が上昇した一方で非鉄金属やゴム製品、鉱業などの22業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)やZホールディングス(4689)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)、KDDI(9433)がいずれも下落しました。中でもZホールディングスはLINE(3938)との経営統合に伴い新株を発行する見込みであることから株式価値の希薄化が懸念され8%超の大幅安となりました。一方で任天堂(7974)、武田薬品(4502)、リクルートホールディングス(6098)は上昇しました。

その他材料が出たところでは、医療事務の受託や介護を手掛けるニチイ学館(9792)は大手証券が目標株価を引き上げたことが好感されて5%超の大幅高となっています。一方でIT情報通信機器の販売などを手掛けるレカム(3323)は前期決算が従来の業績予想を大幅に下回って着地したことが嫌気され12%超の大幅安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は一時170円以上下落するなど利益確定売りが優勢な1日となりました。東証1部の騰落レシオは130%と過熱感のある水準まで上昇しているなど、引き続き利益確定売りが出やすい相場環境にあると言えそうですがこうした中で日経平均が2万3000円の節目を割り込まずに推移できるかが目先の注目点と言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)