東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は49円高の2万2799円と5日続伸しました。TOPIXやJPX日経400、マザーズ指数なども上昇しましたが、東証2部指数は下落しました。前日の米国市場が高安まちまちとなったことを受けて日経平均は2円高の2万2753円と横ばいで寄り付きました。9時半過ぎに69円高まで上昇した日経平均でしたが、その後は上げ幅を縮めて下落に転じて11時前に35円安と安値をつけました。3円安の2万2747円で前場を終えた日経平均は、後場に入ると小幅なプラス圏で推移し引けにかけてやや上げ幅を広げ49円高の2万2799円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆733億円でした。

東証33業種は医薬品や精密機器、水産・農林業などの22業種が上昇した一方で、その他製品や証券商品先物、情報・通信業などの11業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのエーザイ(4523)が8.2%上昇したほか、東京エレクトロン(8035)や日本電産(6594)、SUMCO(3436)、ディスコ(6146)が上昇しました。エーザイはアルツハイマー病治療薬を共同開発している米バイオジェン(BIIB)が米食品医薬局(FDA)に治療薬を承認申請する方針を明らかにしたことが材料となり、連日立会時間中の商いが成立せずストップ高となっていましたが本日は3日ぶりに立会時間中に商いが成立しました。

また、東京エレクトロンやSUMCOなど一部の半導体関連株は、米半導体大手のインテル(INTC)が24日に発表した2019年7~9月期の売上高が四半期ベースで過去最高となったことや通期業績予想を上方修正したことを受けて、業績底入れが期待されてともに2.6%上昇しました。また半導体製造装置メーカーのディスコ(6146)は、減少傾向にあった出荷額について2019年10~12月期は増加する見通しであると発表したことなどが材料となり業績底入れが期待されて11.5%上昇しました。

一方でソフトバンクグループ(9984)や任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、村田製作所(6981)は下落しました。ソフトバンクグループは傘下のビジョンファンドについて約5400億円分の評価切り下げを計画しているとの報道を受け、業績が悪化するとの懸念から一時9か月ぶりの安値をつけ、終値でも1.2%安と4日続落しました。

そのほか材料が出たところでは、クラレ(3405)が昨年子会社の米国工場で発生した火災について一部従業員らへの約100億円の和解金支払いと特別損失計上を発表したことが嫌気されて7%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は小動きの中でも昨日までの堅調な地合いが続き日経平均は年初来高値を更新しました。今夜は米中の閣僚級の電話協議が開催される見込みで、交渉が前進するか注目されます。来週は企業の決算発表が本格化するほか、29日から30日にかけては米連邦公開市場委員会(FOMC)、30日から31日にかけては日銀の金融政策決定会合と日米で金融政策を決定する会議が開催されます。来週は材料目白押しの1週間となりますがその中でも日銀が追加金融緩和を発表するかが最大の焦点と言えそうです。

(マネックス証券 プロダクト部)