英ポンド/円 (127.80~148.20) 10月17日〜10月23日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! いよいよ、本日10月17日から明日にかけて、英国のEU離脱問題に一定の結論が出そうです。本日開かれるEU首脳会議での正式合意に向け、英国とEUはすでに10月15日から協議を始めていますが、10月16日20時(英国時間)現在も協議中とされています。

そもそも離脱を巡り最も争点になっているのは、アイルランド国境での検査の厳格化を避けるためEU側が北アイルランドをEUの単一市場として関税同盟に残すよう求めていることです。このEU側の主張を認めると、英国本土と北アイルランド間で通関検査が必要となり複雑になるため、英与党側の北アイルランドのDUP(民衆統一党)が反対しています。一時DUPが承諾したとのニュースも出ましたが、事実ではありませんでした。

トゥスクEU大統領は、「合意に導く基本的な土台は準備が整い、理論上、明日合意を承認することができる」と話しています。この発言後、同大統領により英国側から疑念が台頭したと表明があり、英国内では、EUとの協議中にジョンソン首相がその協議内容に譲歩し過ぎたのではないかという懸念の声が上がっているようです。

もし、今回の首脳会議で合意に至らない場合、英国下院で採決されたベン法に基づき、2020年1月31日まで、もしくはそれ以上の期間の離脱を延期するようジョンソン首相はEU側に求めなければならなくなります。

昨日までは両者の合意は厳しいとの見方が新聞各紙で報じられ意見が分かれていましたが、日が変わり、フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相は共同会見にて、最終的には合意に至る準備はできつつあり、EU首脳会議にて承認されることを望むと発表しています。

ポンドは先週末から急伸しており、対米ドル、対円ともに上昇しています。本日のEU首脳会議での合意ができれば、さらに上昇していくかどうかが注目されます。また、万が一合意に至らなかった場合は急落の可能性も十分にありますので、本日のポンドの動きはかなり注意が必要です。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

月足トレンドレス中段。このまま合意ありの離脱が実現できれば、月足+2σもしくは156円付近まで年内には上昇する可能性が十分あります。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段+2σまでまだゆとりがありますので、本日のEU首脳会議次第では、140.80円近辺まで上昇の余地があります。下げるとしたら中段の真ん中付近までと想定します。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

日足ベースではアップトレンドに転換しました。現在第1波形成中。ここからまだ+2σに沿ってバンドウォークするか、一旦押し目をつけるかの場面です。本日の動向できれいなアップトレンドを継続するか、急落の場合は一気にMA、ミドル付近まで下落してアップトレンド終了となることも想定できます。

向こう1週間の重要指標です。

17日(木)
7:30 英・カーニーBOE総裁発言
17:30 英・小売売上高

18日(金)
8:30 日・全国消費者物価指数

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:127.80〜148.20 

メインストラテジー:

買いをするなら
・140.00円〜140.10円を上にブレイクしたら短期足使って押し目でエントリー
・137.80円〜138.10円の1時間足中段保合い+4時間足MAもしくはミドル反発でエントリー
・日足MAもしくはミドル反発でエントリー(価格未定)
このエントリータイミングは今週後半もしくは来週になる可能性大。

売りをするなら
・139.80円〜140.10円もしくは140.40円~140.70円の週足トレンドレス上段+1時間足トレ転を根拠にエントリー
・EU首脳会議で合意に至らず離脱の強行決定で急落した場合、138.00円近辺を下に割ってきたら短期足戻り目でエントリー
この場合のショートポジションはファンダの根拠と合わせて使用してください。