東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は95円高の2万1551円と反発しました。JPX日経400や東証2部指数も上昇しましたが、TOPIXやマザーズ指数は下落しました。

米中協議の不透明感などから日経平均は11銭安の2万1456円とほぼ横ばいで寄り付きました。寄り付き直後は小幅なプラス圏で推移していましたが、間もなくマイナスに転じた日経平均は9時半に147円安まで下落しました。ドル円がやや円安に振れたことなどから急速に持ち直した日経平均はプラスに転じると、10時半過ぎに145円高まで上昇し一転して高値をつけました。その後やや上げ幅を縮めて99円高の2万1555円で前場を終えた日経平均は後場に入るとさらに上げ幅を縮めて小幅なプラス圏での推移が続きました。引け間際にやや上げ幅を広げた日経平均は結局95円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆8158億円と5営業日連続で活況の目安である2兆円を割っています。

東証33業種は海運業や証券商品先物、化学などの18業種が上昇した一方で保険業やその他製品、サービス業などの15業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.4%下落したほか、トヨタ自動車(7203)やソニー(6758)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)が下落しました。一方でソフトバンクグループ(9984)やファーストリテイリング(9983)、村田製作所(6981)、旭化成(3407)、東京エレクトロン(8035)、キーエンス(6861)は上昇しました。東京エレクトロンやアドバンテスト(6857)など半導体関連の一角は、米トランプ政権が米国企業によるファーウェイへの一部製品の供給を認可する見通しであると報じられたことを受けて、需要回復期待から買いが入り上昇しました。また、旭化成は名誉フェローの吉野彰氏がリチウムイオン電池の開発が評価されノーベル化学賞を受賞したことが好感され2%近く上昇しました。

その他材料が出たところではローソン(2651)が9日に2019年3~8月期決算が増収増益となり、経常利益の通期予想に対する進捗率が第2四半期までで約65%と好調なことが好感されて4.4%上昇しました。一方で「食べログ」を運営するカカクコム(2371)は9日に公正取引委員会が飲食店情報サイトの調査開始を発表したことを受けて、独占禁止法違反への警戒感から5.9%下落しました。また、同じく飲食店情報サイトを運営するぐるなび(2440)も2.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は日経平均こそ円安進行などを材料に上昇しましたが、TOPIXやマザーズ指数は下落しました。米中貿易協議について中国が部分的な合意を提案しているとの報道を受けて進展期待が回復していましたが、本日朝方に一部報道で「次官級協議では主要な問題点について進展がなかった」と報じられたことで再び警戒感が広がっており、今夜から開催される閣僚級協議の結果が注目されます。また本日は引け後にファーストリテイリングや安川電機(6506)などが決算発表を行っています。

(マネックス証券 プロダクト部)