英ポンド/米ドル(1.1950~1.2800)10月10日~10月16日まで
アナリシス:
皆さま、こんにちは!10月17日にEU首脳会議が開かれますが、英国のEU離脱問題は相変わらず混迷状態となっています。いくつか今週の主だった動きをまとめてみます。
まず、ジョンソン英首相とメルケル独首相は10月8日に電話会談を行いました。英政府が先に欧州連合(EU)に提出した離脱案について協議したもようです。協議内容は明らかにされておりませんが、英首相官邸筋はこの会談を受け「合意成立は基本的に不可能」との見解を示しているとBBCが報じています。
英首相官邸筋によると、メルケル独首相が英国は英領北アイルランドをEUの関税同盟に恒久的に残さない限りEUを離脱することはできないとの考えを示したようで、ジョンソン英首相の提案に基づく合意成立の可能性は「ほとんどない」と述べたとのこと。
これに対し、メルケル独首相の広報官は英国側との交渉は欧州委員会が行うものであり、ドイツの首相の立場として、北アイルランドのバックストップ案の内容を含め関税に係る主張を行うことはあり得ないと反論しています。
ドイツ政府は、ジョンソン英首相の提案に懐疑的とはいえ、メルケル独首相がいつも前向きに解決の糸口を見つけようとしていると強調しています。これら一連の英国側の発言は、ジョンソン英首相が行おうとしている合意なき離脱の責任をドイツになすりつけようとしている可能性も示唆しました。
ジョンソン英首相は、欧州連合(EU)首脳会議(サミット)後の10月19日に下院を臨時招集する模様です。EU離脱期限が10月31日に迫る中、10月17日に開かれるEUサミットは合意成立の最後のチャンスと見なされており、その結果を踏まえて今後の方針を協議するとみられます。
ジョンソン英首相は、EUとの合意がまとまれば10月19日に下院でその承認を求める見通しを立てています。しかし、合意が成立していない場合には、複数の選択肢を下院に投げ掛け、今後の方針を決定することになりそうです。この選択肢には、合意なき離脱の断行や離脱の延期に加え、EU離脱の撤回も含まれる可能性があります。
ただ、臨時招集には下院の承認が必要になりますので、実施されるかはまだ分からない状況と言えそうです。議会は9月上旬に、合意なき離脱の阻止に向け首相に離脱延期の申請を求める法案を可決しており、既に意思表示は決まっています。
このベン法に基づくと、首相は10月19日までにEUと合意を取り付け、英議会がこれを承認するか、合意のないまま離脱することを議会が承認しなければ、2020年1月31日までの離脱延期をEUに要請することが義務付けられることになります。
来週の英国の動きには、かなり注視する必要があると言えそうです。
それでは、月足チャートです。
トレンドレス下段。−2σからミドル方向に上昇中ですが、今月の月足は現在のところ陰線となっています。下げるとすれば、−2σまで。上がるならMA付近と想定できます。また、このままWボトム形成となるかどうかも注目です。
続いて、週足チャートです。
ダウントレンド戻り目形成中。前回の想定通りミドルラインまで上昇して、現在下落しています。ですが、このままダウントレンドが週足レベルで継続することは難しいと想定します。落ちるとしても、最安値付近までとみます。
最後に、日足チャートです。
ダウントレンド後の中段保合相場。現在フラッグ形成して落ちている場面となりますので、ポジショニングが難しい局面となります。局所的に相場を捉えるとトレンドレス下段となり、−2σまでゆとりがあるため、そこまで落ちる可能性も十分にあります。上昇するなら、MA付近までとなります。
向こう1週間の重要指標です。
10日(木)
17:30 英・GDP
18:20 英・カーニーBOE総裁発言
20:30 EUR・ECB理事会議事要旨
21:30 米・消費者物価指数
16日(水)
18:00 EUR・消費者物価指数
上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ:1.1950~1.2800
メインストラテジー:
日足ベースシナリオとして
買いをするなら
・1.2150~1.2170の日足トレンドレス逆張りを根拠にエントリー
・1.2500~1.2530付近を上にブレイクしたら短期足押し目を根拠にエントリー
・1.2020の週足−2σ付近で週足トリプルボトムのトレ転エントリー
売りをするなら
・1.2200を1時間足ベースでブレイクしたら短期足を使って戻り目で順張りエントリー
・1.2560~1.2580の日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー
・1.2000付近を下にブレイクしたら1時間足戻り目で順張りエントリー