東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は68円高の2万1410円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて上昇しました。米国の経済指標の悪化や円高進行を受けて、日経平均は25円安の2万1316円と小幅に続落して寄り付きました。前日の米国市場が反発したこともあり寄り付き直後にプラスに転じたものの上値は重く、9時半前に再び下げに転じた日経平均は小幅なマイナス圏でもみ合いとなり前場を19円安の2万1321円で終えました。後場に入ってからはもみ合いながら下げ幅を縮めて13時前に再びプラスに転じた日経平均は、じりじりと上げ幅を広げ68円高と高値引けとなりました。東証1部の売買代金は1兆8219億円と活況の節目となる2兆円を下回りました。

東証33業種は石油石炭製品や陸運業、不動産業などの22業種が上昇した一方で銀行業や海運業、保険業などの11業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が0.1%上昇したほか、任天堂(7974)や村田製作所(6981)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)が上昇しました。中でも村田製作所は本日午後に一部報道で米アップル(AAPL)が新型iPhoneの生産台数を上方修正したことが伝わると、同社に部品を供給していることから収益増加が期待されて急上昇し1.9%高となりました。一方でファーストリテイリング(9983)や三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、武田薬品工業(4502)、アドバンテスト(6857)は下落しました。

その他材料が出たところでは、新作スマホゲーム「ドラクエウォーク」の人気で連日上昇していたコロプラ(3668)が東京証券取引所による信用取引規制の強化を受けて資金流入減少の懸念から一時7%以上下落し、終値でも4.6%下落しました。また「23区」や「組曲」などのアパレルブランドを展開するオンワードホールディングス(8016)は、前日の引け前に2020年2月期最終損益の赤字化や国内不採算事業からの撤退、減損損失の計上などを発表したことを受けて5.5%下落しました。一方で、大手証券が3日付で投資判断を最上位に引き上げた日本ハム(2282)は3.8%上昇しました。加工事業やオーストラリア事業の好調さが続いていることや食肉事業の底入れから2021年3月期の事業利益増加が期待されています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国市場の反発を受けて上昇したものの、重要指標の発表を控えていることなどからやや薄商いとなりました。米国で今週発表された主要な経済指標が総じて悪化していることから景気後退が懸念されるなか、本日21時半に発表される米雇用統計の結果が注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)