【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26820.25 ▼70.87 (9/27)
NASDAQ: 7939.63 ▼91.03 (9/27)
1.概況
先週末の米国市場は米政権が中国への証券投資の制限を検討していると報じられたことで米中の対立激化が懸念され続落しました。96ドル高と上昇してスタートしたダウ平均は一時は121ドル高まで上昇しましたが対中投資制限について報じられると上げ幅を縮めてマイナスに転じ一時は175ドル安まで下落しました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均は結局70ドル安の26,820ドルで取引を終えました。ダウ平均の下落率は0.3%にとどまりましたが、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は91ポイント安の7,939ポイントと1%を超える下落となりました。
2.経済指標等
8月の耐久財受注は前月比0.2%増と減少が見込まれていた市場予想に反して増加しました。また、8月のPCEコアデフレータは前年比1.8%の上昇と市場予想と一致しました。さらに8月の個人所得も前月比0.4%増と市場予想と一致しています。一方で8月の個人支出は前月比0.1%増にとどまり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融のみ上昇しました。情報技術やコミュニケーション・サービス、不動産などの9業種が下げました。エネルギーは横ばいでした。
4.個別銘柄動向
ダウ平均を構成する30銘柄のうち17銘柄が下げました。中でもシェブロン(CVX)、マイクロソフト(MSFT)、メルク(MRK)、ボーイング(BA)、ウォルト・ディズニー(DIS)が1%以上下げました。一方でファイザー(PFE)やエクソンモービル(XOM)などは上昇しました。ダウ平均構成銘柄以外では9-11月期の業績予想見通しが弱いと受け止められた半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が11%超急落しました。米中対立への懸念もありその他の半導体関連銘柄も幅広く売られました。ラムリサーチ(LRCX)やアプライド・マテリアルズ(AMAT)が5%超売られたほか、エヌビディア(NVDA)も3%超下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い1.68%となりました。ドル円は108円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受け下落してのスタートが予想されます。先週末に配当落ちもあって22,000円の節目を割り込んだ日経平均が下げ幅を広げる展開となるのか、再び22,000円を回復できる位置に踏みとどまれるのかがポイントとなりそうです。なお本日の10時に中国製造業PMI、10時45分に財新中国製造業PMIが発表されます。どちらも前月より小幅な改善が予想されていますが、もし悪化となれば改めて中国の景気鈍化が意識される可能性もあり注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)