英ポンド/米ドル (1.2020〜1.2580) 9月26日〜10月2日まで

アナリシス: 

皆さま、こんにちは! 今週お届けするニュースは、まず英国議会が審議再開となったことです。最高裁判所はジョンソン首相が進めていた議会閉会措置を違憲とする判決を下しました。これにより、英下院の審議は再開。ニューヨークの国連総会に出席していたジョンソン首相は急遽帰国し、議会対応に追われています。

ジョンソン首相は、何があっても10月31日にEUを離脱するとかねがね明言しています。しかし、現在与党は下院で過半数割れとなっており、首相は議会で自分の法案を通すことが困難な状況にあります。

10月17日のEU首脳会議で新たな離脱合意ができればこの問題にも決着がつきそうですが、各紙のニュースや世論では合意には至らないとの予想が半数以上となっています。

また、10月17日に離脱合意が締結できない場合、議会は離脱の延期要請をEUにしなければならないのですが、首相は延期要請をしない姿勢を崩しておりません。

英下院では既に2020年1月31日まで離脱を延期する決議も取られているため、本来であれば首相は議会の意向を尊重すべきところです。しかし、議会休会や強硬なEU離脱の姿勢を固持しているため、野党を中心に辞任を要求する声も相次いでいます。

さて、本来は首相の議会閉鎖が最高裁で違憲となれば通常は首相が辞任するのが筋となるところですが、現在の英国では、そんなことは言ってられないというのが実情なのでしょう。また、ジョンソン首相は解散総選挙に持ち込みたいと考えているのでしょうが、世論調査では保守党の方が労働党など他の野党各党より支持率が高いため、野党は総選挙には持ち込みたくないというのが本音のようです。

現に、野党各党は合意なき離脱の回避を見届けるまで、総選挙の実施は先延ばしにするとの方針を示しています。

このような状況から、昨日ポンドは急落。先行きはまだまだ不透明と言えそうです。

他方、米中貿易協定の合意が予想より早期に実現できそうとの報道がありました。さらにトランプ大統領は安倍首相との会談を経て貿易合意文書に署名。自動車の追加関税も発動なしとの報道により、昨日から米ドル/円は上昇しています。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。−2σからミドル方向に上昇中。このままWボトム形成となるかどうかの場面になります。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

ダウントレンド戻り目形成中。前回の想定通りミドルラインまで上昇後、現在は下落していますが、このまま週足レベルでダウントレンドが継続することは難しいと想定します。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

ダウントレンド後の中段保合い相場。現在フラッグ形成して落ちている場面となりますので、ポジショニングが難しい局面となります。

向こう1週間の重要指標です。

9月26日(木)
21:30 米・GDP確定値
22:30 EUR・ドラギECB総裁発言

9月27日(金)
21:30 米・個人消費支出

9月30日(月)
17:30 英・GDP改定値

10月1日(火)
8:50 日・日銀短観
18:00 EUR・消費者物価指数
23:00 米・ISM製造業景況指数

10月2日(水)
21:15 米・ADP雇用統計

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ:1.2020〜1.2580

メインストラテジー:

日足ベースシナリオとして

買いをするなら
・1.2000〜1.2150の日足トリプルボトムやBOXトレ転を根拠にエントリー
・1.2530を上にブレイクしたら、短期足の押し目を根拠にエントリー
・1時間足でトレンドレス入りをした場合は、1時間足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー(参考価格:1.2300〜1.2320)

売りをするなら
・現在1時間足レベルでダウントレンドにつき、1時間足のMA、もしくはミドルライン反発で売り(参考価格:1.2355〜1.2380)
・1.2520〜1.2580の日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー