東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は19円高の2万2098円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども上昇しました。米国の経済指標が市場予想を上回ったことや米中貿易協議再開の報道を受けて日経平均は16円高の2万2095円と続伸して寄り付きました。10時過ぎに89円高で高値をつけた日経平均でしたが、円安一服などから上げ幅を縮めて52円高の2万2131円で前場を終えました。後場に入ると小幅な値動きのなかさらに上げ幅を縮めた日経平均は、結局19円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2782億円でした。東証33業種は保険業や小売業、金属製品などの23業種が上昇した一方で鉱業や海運業、証券商品先物などの10業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が1.8%下落したほか、任天堂(7974)やファーストリテイリング(9983)、武田薬品工業(4502)、三菱商事(8058)が下落しました。中でもソフトバンクグループは傘下ファンドの投資先でシェアオフィス「ウィーワーク」を運営しているウィーカンパニーに対して最高経営責任者の退任を要求していることが報じられ、上場時期や企業統治体制などの先行き不透明感から売られました。一方でトヨタ自動車(7203)やスズキ(7269)、東京エレクトロン(8035)、キーエンス(6861)、リクルートホールディングス(6098)は上昇しました。中でもスズキは同社が強みを持つインド市場で20日に法人減税が発表されたことを好感した買いが入り4.2%上昇しました。

その他材料が出たところでは、吉野家ホールディングス(9861)が10月1日からの割引キャンペーンを発表したことを受けて消費増税後の利用客減少が回避されるのではないかとの思惑から買いが入り、4.7%上昇して19年ぶりの高値をつけました。

VIEW POINT: 明日への視点

前日の米国市場は高安まちまちでしたが、日本市場は堅調な1日でした。トランプ大統領が20日の会見で中国との貿易交渉を急がない姿勢を示したことで貿易摩擦の長期化が警戒されていましたが、本日朝に貿易協議が来週にも再開されると報じられたことでやや安心感が広がりました。ドイツのPMIがリーマンショック直後以来の水準に低下するなど世界的な景気減速への不安が残るなか、日経平均が2万2000円台を維持できるかが注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)