【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27182.45  △45.41 (9/12)
NASDAQ: 8194.47  △24.79 (9/12)

1.概況

米国市場はトランプ米大統領が中国製品への関税引き上げを延期すると発表したことや、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和の決定も好感され続伸しました。60ドル高でスタートしたダウ平均は上値が伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じましたが、32ドル安で下げ渋ると持ち直し一旦160ドル高近くまで上昇しました。しかし、再び弱含むと昼前に前日終値近辺まで上げ幅を縮めましたが、底堅さをみせると上げ幅を広げ一時は169ドル高の27,306ドルまで買われ7月15日に付けた史上最高値(27,359ドル)にあと50ドル余りまで迫る場面もありました。その後利益確定の売りが出て引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均は結局45ドル高の27,182ドルで取引を終え7日続伸となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も24ポイント高の8,194ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等

8月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.7%上昇に止まり市場予想を下回りました。一方で変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2.4%上昇し市場予想を上回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万5000件減の20万4000件となり市場予想を上回る改善となりました。8月の米財政収支の赤字額は前年同月比6.4%減の2003憶4400万ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や不動産、一般消費財・サービスなどの9業種が上げました。一方でエネルギーとヘルスケアの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

決済サービスのペイパル・ホールディングス(PYPL)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3%高となりました。口コミサイトのイェルプ(YEL)もクーポン共同購入サイトのグルーポン(GRPN)が買収を検討する可能性があると伝わったことで5%以上上げています。一方でグルーポンは財務負担を懸念した売りで4%安となっています。また、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が売りの投資判断を受けて4%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。さらにソフトウエアのオラクル(ORCL)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで4%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い1.77%となりました。ドル円は108円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は3ヵ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)