7月下旬からスタートした3月決算銘柄の第1四半期決算も先月中旬で終了となりましたが、7月中に一足早く決算を発表した銘柄ではアナリストによる業績や目標株価の見直しも一通り終わったと思われます。そこで今回は7月25日に決算を発表したTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に決算発表後に複数の目標株価の引き上げがみられるもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

そのなかでも特に目標株価の引き上げが特に目立ったのが富士通(6702)で、第1四半期の営業利益は大幅な減益ながら赤字を見込んでいたコンセンサス予想を大きく上回ったこともあって決算発表後に7人が目標株価を引き上げています。また、第1四半期の営業利益が4割近い増益となったネットワンシステムズ(7518)でも3社が目標株価を引き上げたほか、エムスリー(2413)でも2社が決算発表後に目標株価を引き上げています。

7月25日に決算を発表した企業で目標株価の引き上げがみられる銘柄はこちらからチェック(PDF)

決算メモ

ピジョン(7956)- 中国事業は堅調さを維持 -

ピジョンが2日に発表した2019年12月期の上期決算は売上高が前年同期比0.6%減の525億円、営業利益が同15.1%減の93億円となりました。売上高は中国をはじめとした海外が増益を確保した一方で、インバウンド需要の減少で国内が減収となり微減となりました、また、営業利益は国内が苦戦したことに加え、統合基幹業務システムの導入費用が増えたこともあって二桁の減益となっています。なお、日本と並ぶ主要事業である中国事業の売上高は元安によって円換算の売上高が目減りし2%増に止まりましたが、現地通貨ベースでは8%増と堅調さを維持しています。

上期は減収減益ながら会社計画通りの水準に着地したということもあって通期の会社予想(売上高1062億円、営業利益200億円)は据え置きとなりました。今期は決算期変更による11カ月間の変則決算のため前期との比較はできませんが、決算期間が1カ月多かった前期(売上高1047億円、営業利益196億円)を上回る計画となっています。国内で抱っこひも市場に参入するほか、中国でも工場直送型の防腐剤ゼロのスキンケア商品を投入するなど、国内外で積極的に新商品を発売することで計画達成を目指すとピジョンでは説明しています。