【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25777.90  ▼120.93 (8/27)
NASDAQ: 7826.95  ▼26.79 (8/27)

1.概況

米国市場は反落となりました。ダウ平均は中国政府が消費拡大策を発表したことを好感し115ドル高でスタートすると直後に155ドル高まで買われましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると米債券市場で景気後退の前兆とされる長短金利の逆転(逆イールド)が一段と進んだことでマイナスに転じ昼過ぎには176ドル安まで売られました。その後ダウ平均は前日終値近辺まで持ち直す場面もみられましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げ結局120ドル安の25,777ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も26ポイント安の7,826ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は135.1と前月から低下したものの市場予想を上回っています。一方で6月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比2.1%上昇に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種うち金融やエネルギー、ヘルスケアなどの8業種が下げました。一方で公益事業と素材、コミュニケーション・サービスの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が1%以上上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。医療用麻薬中毒のまん延についての責任があるとしてオクラホマ州の判事から制裁金支払いを命じられましたが、制裁金の額が市場の想定を下回ったことから買われました。また、コストコ・ホールセール(COST)が中国の1号店に多くの人が押し寄せたと伝わったことで5%高となっています。さらに新たな最高経営責任者(CEO)の起用を発表したピザチェーンのパパ・ジョーンズ(PZZA)が9%を超える上昇となりました。

一方で食品大手のJMスマッカー(SJM)が決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったことで8%以上下げています。写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)はインスタグラムがメッセージアプリを開発していると伝わったことで4%近く下げました。

5.為替・金利等

長期金利(10年債利回り)は0.06%低い1.47%となりました。この結果10年債利回りは2年債利回りを0.05%下回り、利回りの差は2007年以来ほぼ12年ぶりの大きさとなっています。ドル円は105円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)