英ポンド/米ドル (1.1890〜1.2400) 8月15日〜8月21日まで

アナリシス: 

皆さま、こんにちは!今日は8月15日。終戦記念日です。第2次世界大戦で命を奪われた全ての方へご冥福をお祈りします。

さて、8月といえば薄商いの時期となり、特に日本がお盆の期間は相場の動きが鈍いか、暴落しやすいと言われています。今年はダウやS&P 500、日経平均などの株価指数がこの10日間で下落を続けています。

ドル売り円買いの動きも強く、米ドル/円、クロス円も下落しています。そのような中、対ポンドでドルは依然強い状態が続いています。月足では、2016年のブレグジットで付けた安値1.19台前半に迫っており、実体ベースでは現在のところ安値を更新しています。

1.20台に留まるか、それとも最安値の1.1910付近まで下落をするかが今後の注目ポイントとなります。

英国内での話題は、ジョンソン首相がブレグジット実現のために、英国議会を休会に持ち込むと発言したこと。この問題が物議を醸しています。ジョンソン政権は期限である10月31日に、合意のあるなしに関わらずEUを離脱する方針を堅持していることから、このような措置も辞さない構えを示しているようです。

これに伴い、EU残留派の議員からなる超党派の団体が訴えを起こし、議会を休会することが合法的で合憲性を伴うかの是非を問う訴訟が始まりました。もちろん、この超党派のグループは、議会休会は違法かつ違憲と主張しており、今後の展開が気になるところです。

こうした英国内の背景からしても、合意なき離脱への流れが強いのではないかという風潮が感じられます。為替の動きから見ると、EU残留の場合は強いポンド買い、合意の上での離脱であってもポンド買い、合意なき離脱が決定するのであれば一旦ポンド売りのシナリオが立てられます。

現在の流れからは、ポンド買いに傾くことは当面先と言えそうですので、まだポンド買いのポジションを仕込むのは時期尚早と筆者は考えています。

他方、今週はトランプ大統領の中国への追加関税延期のニュースから一旦ドル買いの動きも見られましたが、限定的と言えそうです。

2019年後半は円高基調が継続するのが第1シナリオとなりますので、トランプ大統領の発言などで一時的なドル買いがあれば、高値でショートポジションを取っていくのが賢明なトレードとなる可能性大です。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。−2σ付近。最安値付近ですが、バンドウォークして安値更新の可能性もあります。
続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

ダウントレンド1波バンドウォーク中。安値から一旦反発して本日では陽線になっていますが、そのままバンドウォークを続けるか、1.2150〜1.2200付近まで上昇するかの場面です。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成


ダウントレンド戻り目形成中。MAもしくはミドル反発で再度ダウントレンド継続となり、−2σタッチまで下落するかどうかの場面となります。一旦1.1890〜1.1910付近まで落ちることがあれば、トレンド転換狙いでロングを仕掛けたいところです。

向こう1週間の重要指標です。

15日(木)
21:30 米・小売売上高

19日(月)
18:00 EUR・消費者物価指数改定値

21日(水)
27:00 米・FOMC議事要旨

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ:1.1890〜1.2400

メインストラテジー:

<日足ベースシナリオとして>

買いをするなら
・1.1890〜1.1950の月足ダブルボトムを根拠にエントリー

売りをするなら
・1.2120近辺で4時間足中段保合い+日足MAもしくはミドル反発を根拠にエントリー
・1.2210~30の4時間足中段保合い+日足ミドル反発を根拠にエントリー