【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25717.74 ▼767.27 (8/5)
NASDAQ: 7726.04 ▼278.03 (8/5)
1.概況
米国市場は人民元が対ドルで約11年ぶりの安値を付けるなかトランプ米大統領が中国が為替操作を行っているとの批判を相次いでツイッターに投稿したことや、中国政府が国有企業に対し米国産農産物の輸入を停止するように要請したと伝わったことから米中の対立激化を警戒した売りで大幅安となりました。ダウ平均は225ドル安でスタートすると一日を通して下げ幅を広げる展開となり取引終盤には961ドル安まで売られました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局767ドル安の25,717ドルで取引を終え5日続落となりました。ダウ平均の下げ幅は今年最大となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も278ポイント安の7,726ポイントとなり6日続落となりました。ナスダック総合株価指数の下げ幅も今年最大となっています。
2.経済指標等
7月の米ISM非製造業景況感指数は53.7と前月から低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術が4%余り下落したほか、金融も3%以上下げています。また、エネルギーとコミュニケーション・サービスも3%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもアップル(AAPL)が5%以上下げたほか、ビザ(V)も5%近く下落しています。また、IBM(IBM)も4%以上下げたうえ、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も4%近く下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株が大きく売られ、エヌビディア(NVDA)が6%以上、マイクロン・テクノロジー(MU)とアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が5%近く、クアルコム(QCOM)が3%以上下げています。さらに決済サービスのスクエア(SQ)が目標株価の引き下げを受けて7%近く下げています。1ドルショップのダラー・ツリー(DLTR)も目標株価と投資判断の引き下げを嫌気して4%以上下落しました。一方で食肉のタイソン・フーズ(TSN)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどで買われ5%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.13%低い1.71%となりました。ドル円は105円台後半で推移しています。米財務省が中国を為替操作国に認定したことで朝方に105円台半ばまで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が大幅安となったことや、先ほど米財務省が中国を為替操作国に認定したことを受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下値模索の展開となりそうで、節目の20,000円を維持でできるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)