【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26583.42  ▼280.85 (8/1)
NASDAQ: 8111.12  ▼64.30 (8/1)

1.概況

米国市場はトランプ米大統領が新たに3000億ドルの中国製品に10%の追加関税を課す対中制裁関税の第4弾を9月1日に発動すると表明したことで続落となりました。ダウ平均は15ドル高でスタートすると米ISM製造業景況感指数の悪化を受けて追加の利下げ期待が高まり311ドル高まで買われるとその後もしばらくは堅調に推移していましたが、午後にトランプ米大統領が対中制裁関税の発動を表明すると一気に上げ幅を縮めマイナスに転じ大きく下げ幅を広げる展開となりました。引け間際に315ドル安まで売られたダウ平均は結局280ドル安の26,583ドルで取引を終え3日続落となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も64ポイント安の8,111ポイントと4日続落となりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件増の21万5000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、7月の米ISM製造業景況感指数も51.2と前月から低下し2018年8月以来の低水準となり市場予想を下回りました。さらに6月の米建設支出も前月比1.3%減となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、金融とエネルギーが2%を超える下落となったほか、資本財・サービスも2%近く下げました。一方で公益事業と不動産、ヘルスケアの3業種が上げ、公益事業は1%高となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでも長期金利の低下を受けてゴールドマン・サックス(GS)が4%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も2%を超える下げとなりました。また、米中貿易摩擦激化への懸念からキャタピラー(CAT)も4%近く下落したうえ、ナイキ(NKE)とダウ(DOW)も3%を超える下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、米中貿易摩擦激化への懸念から半導体株が売られました。エヌビディア(NVDA)やクアルコム(QCOM)、マイクロン・テクノロジー(MU)が揃って2%以上下げています。ただ、半導体メモリーのウエスタン・デジタル(WDC)は決算でフラッシュメモリー市場がサイクルの底に達したとの見方を示したことで3%高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.12%低い1.89%と2%を割り込みました。こうしたなかドル円は大きく円高が進み107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安に加え、ドル円が大幅な円高となっていることから大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は13時25分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目を集めそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)